日立新社長 古川氏、エクセレントカンパニーへの道

2006/4/4

 日立製作所の 執行役社長に4月1日付で就任した古川一夫氏は4月3日会見し、低迷するハードディスクドライブ、液晶、薄型テレビの3事業を最優先で回復させる考えを強調した。古川氏は「これまでの事業構造改革の考えは間違っていなかった」として、庄山前社長の方針継承を宣言。そのうえで「緊急の課題は3事業だ。2006年度後半での3事業の黒字化は達成できる」と明言した。

日立製作所 執行役社長の古川一夫氏

 古川氏は3事業について、「HDDは開発力の強化や日米での開発の分担、垂直磁気方式の開発促進、品質や歩留まりの向上などの対策をすでに打ってきた」として、2005年10〜12月期には黒字化したことを明かした。2006年1月〜3月期は季節要因もあり、再び赤字になったが、「2006年度後半の黒字化は見えてきた」との認識だ。薄型テレビ、液晶は、生産量の増強や新商品の投入で回復に向かっているとの考えを示した。

 古川氏は3事業関連のM&Aについて「聖域はないと考えている」としたが、「まずは地道に着実にそれぞれの事業をやっていく」とも述べ、事業売却などではなく自力回復を探る方針を示した。「私自身、総合という看板にはこだわりがある」

 古川氏のもう1つの課題は営業利益率5%の達成。「グローバル企業の最低ラインが5%。次の時代の発展に向けてできるだけ早期に5%をクリアしたい」と語った。達成の期限は示さず、「とにかく、地道に着実にオペレーションを行って、できるだけ早く達成する」と繰り返し述べた。

 新社長率いる日立が目指すのは「世界のエクセレントカンパニーとして輝くこと」(古川氏)。古川氏は、先を読む力を持ち、世界中を変えるものを送り出す「イノベーション」、あらゆる面での多様性を持つ「グローバル」、日立グループや企業規模を総合する「シナジー」の3つをキーワードに挙げて、「安心、安全な社会インフラにITをかけ合わせて、21世紀も社会を支える企業でありたい」と語った。

(@IT 垣内郁栄)

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日立製作所の発表資料

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