岐阜大学でMacromedia Breeze採用、教授100人が納得
2006/4/5
アドビシステムズは4月4日、同社のWebコミュニケーションツール「Macromedia Breeze」が岐阜大学の遠隔教育システムに採用されたと発表した。アドビシステムズは以前から教育に関する取り組みを行っており、今後もeラーニングソリューション、教育機関の事務を効率化しセキュリティを高めるツールなどを教育市場に提供していきたいとの考えを示した。
岐阜大学は遠隔教育に関する取り組みを1997年に開始。目的は小中高校の現役教師の学習機会を拡大させることと、学習内容の充実である。まずはテレビ会議システムを採用し、サテライト教室を設置して夜間遠隔大学院に利用。2003年にはインターネットを利用した遠隔教育システムの併用を開始した。
岐阜大学 総合情報メディアセンター 教授 加藤直樹氏 |
岐阜大学 総合情報メディアセンター 教授 加藤直樹氏は、テレビ会議システムは高品質の映像や音声を利用できる点で優れているものの、受講者は決められた時間にサテライト教室に出向かなければならないという課題があった。そのためインターネットを活用した遠隔教育システムの導入を決定し、2003年から使いやすいソリューションを求めて複数の製品を比較検討した。結果、2006年4月からの「働きながら学ぶ教師のためのインターネット型大学院」でMacromedia Breezeを採用することを決定したという。
Macromedia BreezeはWeb会議、eラーニングなどの機能を提供するFlashベースのWebコミュニケーションツール。「Microsoft PowerPoint」のファイルと講師の音声、映像を自動で同期させるストリーミング配信が可能で、チャットなどのインタラクティブなコミュニケーション手段も提供する。受講者はWebブラウザとFlash Playerで利用する。
加藤氏は「Macromedia Breeze」の採用理由を、「音声や映像の遅延が少なく、高品質である」「講師の使い勝手を考えると、ライブ講義やコンテンツ作成が同一製品で行える統合されたシステムが必要だった」と語った。2006年は専門講義では従来のテレビ会議システムを利用し、少人数で行うゼミでは「Macromedia Breeze」を活用。2007年からは「Macromedia Breeze」を利用したインターネット型授業を拡大していく計画。
アドビシステムズ マーケティング本部 教育市場部 部長 北川久一郎氏は「Macromedia Breeze」の長所について、「Macromedia Breeze経由で実施した講義を録画すれば、録画終了時には閲覧できる状態でWebサイトに上がっている。コンテンツ作成の手間がかからないのが大きな特徴の1つ」「あちこちから受講者が接続することを考えれば、クライアントPCにインストールが不要、かつ(通常のブラウズで使用する)80番ポートのみでやりとりが可能であることは非常に大きなメリット」と語った。使い勝手の悪さなどから教育現場にeラーニングツールが浸透しない現状からすると、「今回、岐阜大学の100人もの教授が参加するのは画期的なこと」とした。
北川氏は「eラーニングは学習機会の拡大から学習内容の充実へと重点項目が変わり、第2世代に入っているのではないか」との見方を示し、教育市場へのソリューション提供に当たって「何が一番効果的かを考えていきたい」と語った。
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