マクロメディアのFlash Platform戦略はアドビ合併後も変更なし
2005/10/19
米アドビシステムズとの合併をひかえた米マクロメディアのプライベートカンファレンス「Macromedia MAX 2005」が10月16日(米国時間)、米カリフォルニア州アナハイムで開幕した。17日の基調講演では、マクロメディアのエンタープライズプロダクトのロードマップに変更はなく、Flash Platform戦略はアドビとの合併後も引き継がれることが強調された。
●Flex Builder 2は単体でのFlashファイルの生成が可能に
今後の製品ロードマップを説明する米マクロメディア チーフソフトウェアアーキテクト Kevin Lynch氏 |
さらに、Flex 2.0では、金融などのミッションクリティカルな環境で要求されるサーバとのリアルタイムなデータ連携、レガシーシステムとの接続などをサポートするミドルウェア「Enterprise Services 2」が提供される。
●全面的にコードが書き直されるFlash Player 8.5
先月(2005年9月)にリリースされたFlash Player 8も、次期バージョンFlash Player 8.5ではアーキテクチャが大幅に変更される。Virtual Machineを全面的に書き直し、JIT(Just in Time Compiler)も搭載することで実行性能を飛躍的に向上させるという。パフォーマンスは、α版の段階ではFlash Player 8の1540%(約15倍)という性能値をたたき出しているという。「複雑なアプリケーションには不向き」という実効性能への疑念を払しょくし、ActionScript 3.0による完成されたプログラミングモデルの確立を目指す。なお、旧来のFlash Plyaerとの互換性は、旧VMも搭載することで解決するという。
●ユニバーサルクライアント「Apollo」が登場する
また、Webブラウザを使わないFlashの実行環境「Apollo」は、オフラインでのFlashの実行、1クリックによるアプリケーションの配布と容易なバージョン管理、サーバとのスマートなデータ通信など、ユニバーサルクライアントとしての特徴を持って登場する予定だ。HTMLのレンダリングもサポートするため、既存のコンテンツを取り込んだクライアントを作成することが可能だ。またWebブラウザ外の実行環境でありながら、SandBoxによるセキュリティを実現するという。
●RIAのクロスデバイス化への試みが進む
基調講演の最後に登場した米アドビシステムズ CEO Bruce Chizen氏。合併後のエンタープライズ戦略の詳細についての言及は避けた |
基調講演の最後には、わずかな時間だったが米アドビシステムズのCEO Bruce Chizen氏が登場した。Macromedia BreezeとPDFの連携、Adobe LiveCyclesとFlexの連携など、マクロメディア製品とアドビのPDFソリューションが融合することで、Flash Platform戦略がさらに強化されると強調した。
(ナレッジリンク 宮下知起)
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