「空中戦は終わった」、BEAがSOA実践のノウハウ集提供

2006/4/11

 日本BEAシステムズは、国内13社で実践してきたSOA構築のノウハウや方法論をパッケージした「SOA/ESB ベストプラクティス」の提供を4月11日に始める。SOA構築を検討するエンドユーザー企業に対して、「低コスト、低リスクでSOAを実践できるようにして導入の敷居を下げる」(同社)ことを狙う。

日本BEAシステムズのソリューション営業本部 SOA推進担当 ビジネス ディベロップメントの神沢正氏

 BEAはこれまで国内で13社のSOA案件についてコンサルティングを行ってきた。特に家電メーカーや通信会社、地方自治体などの案件は「SOAプロジェクト」として提案してきた。ほかの案件ではプロジェクトの一部でSOA技術を使った。

 日本BEAシステムズのソリューション営業本部 SOA推進担当 ビジネス ディベロップメントの神沢正氏は「SOAをキーワードにプロジェクトをスタートするのではなく、開発するシステムをレガシーにしないためにSOAのコンセプトと技術を採用するケースが多い」と説明する。

 SOA/ESB ベストプラクティスはBEAのエンタープライズ・サービスバス製品「BEA AquaLogic Service Bus 2.1」のライセンス、サポートと、SOA実装手法などのドキュメント、トレーニングなどをパッケージにした。ドキュメントは、SOAの基本や適用結果を学べる「リファレンスアーキテクチャ」と、サービス分析や要件定義の方法を記述する「サービス分析・設計ガイド」、Javaで新しくサービスを開発する場合の「サービス構築ガイド」、既存サービスを接続するための「サービス連携ガイド」で構成する。

 神沢氏は「ほかのベンダはSOAというと大抵はビジネスプロセスから考えるが、そうすると顧客は先に進めない」と指摘。「まずはサービスをきちんと作り、再利用できるように管理し、SOAの土台を作ることが重要だ」とSOA/ESB ベストプラクティスの狙いを説明した。

 SOA/ESB ベストプラクティスの価格は498万円から。エンドユーザー企業が自ら実践するのが基本で、SOAを評価・計画しているフェイズの企業や、SOAに詳しい人材を育てている企業向きだという。パイロットプロジェクトでSOA導入を検討している企業や、自社のSOA方法論の確立を考えているコンサルティングファーム、システム・インテグレータも使える。基本はエンドユーザー自らがSOA導入を実践するが、各フェイズでのチェックやロードマップ作成はBEAのコンサルタントが協力する。

 同プラクティスにはサービスの組み換えやBPMツールは含まれない。それでも同内容の案件をBEAのコンサルタントに通常の契約で依頼すると、数千万円の価格になる。神沢氏は「今年はSOAが展開する年。ベンダだけで空中戦をしていても仕方ないので、ノウハウをどんどん出していく」と語った。

(@IT 垣内郁栄)

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日本BEAシステムズの発表資料

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