ゼロ・ダウンタイムを目指すBEA WebLogic Server 9.0J
2005/8/10
日本BEAシステムズは8月9日、J2EEアプリケーション・サーバの最新版「BEA WebLogic Server 9.0J」を発表した。2年ぶりのバージョン・アップとなる。8.1Jのリリーステーマは「アプリケーション・インフラストラクチャのコスト軽減」や「IT資産の有効活用」だったが、今回の9.0Jでは「ゼロ・ダウンタイムを実現する信頼性」(同社 マーケティング本部長 保阪武男氏)を強調している。いまや、アプリケーション・サーバは、楽天に代表される大規模な電子商取引Webサイトなどでは、システムの心臓部としての機能を担っている。サーバのチューニングや新バージョンの配備、アプリケーションの追加という局面で“停まらない”機能の実装が求められている。
日本BEAシステムズ マーケティング本部長 保阪武男氏 |
ゼロ・ダウンタイムの実現を果たすため、クラスタリング機能の拡張に力を入れた。8.1Jでは、クラスタ間でのメモリのレプリケーションに対応していなかったのだが、9.0JではMAN(Metropolitan Area Network)レプリケーションとして、クラスタークラスタ間のレプリケーションを可能とした。同期で他方のクラスタにレプリカを作成できる。MANレプリケーションに加え、通常はクラスタ内でレプリケーションを行いながら、非同期でデータベースに情報を出力し、格納するWANレプリケーションにも対応した。これにより、データセンター障害が発生した場合、遠隔地に存在するクラスタ上でサービスを継続することが可能となる。そのほか、サーバが独自に必要なリソースを調整し、リアルタイムで修正対策を実行できるようサービスレベルが指定可能となった。
アプリケーション開発の側面では、従来の同社のポリシーどおり、業界標準技術の積極的な採用を行っているが、これまで以上にアピールをするのは、オープンソース製品のサポートである。BEAがApacheに寄贈したJavaアプリケーションフレームワーク「Beehaive」を9.0Jに新たに実装したほか、Apache XMLBeans、Springなどのオープンソースプロダクトとの親和性強化を図っている。BEA WebLogic Workshopの次期バージョンでは、Eclipseをサポートする予定。
(@IT 谷古宇浩司)
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日本BEAシステムズの発表資料
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