1CPUに20の仮想OS環境を構築、HPがサーバ統合の新技術
2005/11/30
日本ヒューレット・パッカード(HP)は11月29日、Itaniumを搭載するIAサーバ「HP Integrityサーバ」で稼働する仮想化製品「HP Virtual Server Environment」(VSE)のラインアップを拡充し、1CPUで最大20の仮想OS環境を作成できる「HP Integrity Virtual Machines」(HIVM)を追加すると発表した。HPはサーバ統合に利用できるとしている。
HPのVSEでは1つのハード内に複数のパーティションを設定する「ハードパーティション」と、単一のハードパーティション内を仮想的に分割してパーティションを作成し、複数のOSをインストールする仮想パーティションの2つがあった。
日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 OEプロダクトマーケティング部長 栄谷政己氏 |
HIVMは1CPUのリソースを分割して最大で20のサブCPUパーティションを作成できる技術。それぞれのサブCPUパーティションに対してCPUリソースを割り当てて、OSをインストールできる。CPUリソースの最小割当は5%からで、1つのCPUから利用可能。業務の負荷に応じて割り当てるリソースを柔軟に変更できるという。2CPUからの対応が多いこれまでの仮想化技術と異なり、1CPUでも仮想環境を構築できるため「エントリクラスのサーバで利用できる」(日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 OEプロダクトマーケティング部長 栄谷政己氏)としている。サブCPUパーティションにインストールできるOSはHP-UX 11i v2が2005年12月に対応。Linux、Windowsは2006年末に対応する。
HIVMはハードパーティションと組み合わせることが可能。ハードパーティションで分割した環境の中にサブCPUパーティションを作成し、複数のOSをインストールすることなどができる。ハードパーティションと組み合わせることで、1つのパーティションのハードウェアの障害がほかのパーティションに波及しないようにできる。HPではソフトウェアのテストサーバと運用サーバの統合などにも利用できるとしている。価格は31万5000円。2005年末に出荷する。
HPは同日、仮想化環境の管理ソフトウェアも発表した。仮想化したシステムの負荷状況を監視し、システム環境の変化をシミュレーションできる「HP Integrity Essentials Capacity Advisor」と、仮想化環境のワークロードを可視化する「HP Integrity Essentials Virtualization Manager」、数百大規模のサーバを使った仮想環境で、リアルタイムのリソース再配分を可能にする「HP Integrity Essentials Global Workload Manager」の3製品。いずれも2006年1月に出荷する。
(@IT 垣内郁栄)
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日本ヒューレット・パッカードの発表資料
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