富士通が世界最速、最大容量でSANストレージ強化
2006/4/21
富士通は4月20日、同社のSANストレージシステムで、容量と処理性能を大幅に強化した新製品群を発表した。
富士通ストレージシステム事業本部事業本部長 利根廣貞氏(左)とストレージシステム事業部長 工藤哲郎氏(右) |
富士通の2005年における国内外付けディスク売上高は377億円。日立に次いで第2位のシェアを維持している。同社では富士通サーバと他社サーバの混在したマルチベンダ・サーバ環境を運用するユーザーへの販売活動強化を進めており、昨年度も成果を収めているという。ストレージシステム事業本部長利根廣貞氏は、新製品の投入を機に「日立に追いつきたい」と語った。
新製品は最上位に位置するエンタープライズシリーズの「ETERNUS8000」4モデルと、ミッドレンジシリーズの「ETERNUS4000」4モデル。それぞれ既存の「ETERNUS6000」「ETERNUS3000」を強化した。
ETERNUS8000は、世界で最大の容量と最高の性能を実現したという。最大容量は、ETERNUS6000では最大構成1020ドライブで500Tバイトだったが、ETERNUS8000では2760ドライブで1365Tバイトを実現した。
「ETERNUS6000では最大構成で購入する顧客も多く、さらに容量拡大を求める声が大きかった」とストレージシステム事業部ストレージシステム事業部長 工藤哲郎氏は説明した。
性能については、ETERNUS8000で装置当たり最大16CPUを搭載可能としたことなどから、ETERNUS6000に比べ2.5倍向上したとし、SPC-1ベンチマークでも世界最高の単位時間当たり処理I/O数を実現できるという。
ETERNUS8000モデル900 |
新製品では、同社のSANストレージシステムとして初めてRAID 6に対応。また、バックアップではデータ更新時に旧データ部分のみをコピーする機能を新たに搭載、ソフトウェアのバグ対応や運用ミスへの対応を容易にした。また、従来はリモートコピーにおいて、ミッドレンジ製品にサポートされていない機能があったが、今回の新製品では機能格差を解消、エンタープライズ製品とミッドレンジ製品間の接続も可能となった。これに加えてiSCSIを新たにサポートし、高価なネットワーク機器を必要とせずに遠隔バックアップが実現できるようになったとしている。
さらに新製品では、稼働を止めずにディスク収容きょう体やハードディスクドライブを増設する機能も新たに搭載、ストレージシステム導入における初期コストを軽減できるようになったという。
ETERNUS8000とETERNUS6000は4月20日に販売開始。出荷は一部を除いて6月30日に開始の予定。販売目標は今後2年間で国内外合わせて1万4000システム。そのうち約1万台を国内で販売したいという。
(@IT 三木泉)
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