システム構成の作成時間を半分に短縮、富士通が新ツール

2006/4/18

 富士通は顧客の要件を基に最適な情報システムの構成を作成する自動化ツール「TRIOLE System Organizer」を開発し、社内で利用を始めた。1週間程度かかることが多い手作業と比べて、システム構成作成の時間を半分に短縮。その分、顧客との対話や再提案に時間を割くことができるという。パートナー企業への提供も検討している。

富士通 共通技術本部 TRIOLE基盤統括部 部長 藤原智広氏

 OrganizerはWebベースの提案・設計の自動化ツール。顧客のRFPから構築するシステムの用途や必要な信頼性、価格を入力すると、サーバやアプリケーションサーバ、データベース、ルータなどを組み合わせたシステム構成を出力する。富士通のエンジニアや営業担当者はこのシステム構成を基に見積もり書を作成する。

 作成するシステム構成は、富士通の検証済みシステム構成「TRIOLEテンプレート」で培ったノウハウを基に開発した。「富士通がアウトソーシングで蓄積してきたノウハウを盛り込んでいて、“動く”システム構成を作成する」(富士通 共通技術本部 TRIOLE基盤統括部 部長 藤原智広氏)という。システム構成は12モデルを用意。組み合わせによって1000種以上のシステム構成を作成できるという。ただ、現状では富士通のハードウェア、ソフトウェアによるシステム構成が中心。

 Organizerではシステムの機能のサービスレベルを示す機能もある。サービスレベルは、「Webアプリケーション」「ビジネスアプリケーション」「データベース」などに分かれていて、それぞれについて信頼性やセキュリティ、運用などの状況をレーダーチャートで表示する。

 富士通のプラットフォームソリューションセンター プロジェクト統括部長 三津濱元一氏は「Organizerの利用でコストや開発期間、システムのリスクなどを顧客と富士通が合意できるのがポイント」と説明し、「ちゃんと何を、どういう経緯で、どこまでできたかを“見える化”する必要がある」と語った。

 Organizerは富士通のパートナーのシステム・インテグレータ(SIer)や、ソフトウェアベンダなどにも順次、提供する方針。SIerは自らの提案でOrganizerを利用できる。ソフトウェアベンダはOrganizerで作成するシステム構成に自らの製品を盛り込むことができるようになる。

 富士通は今後、Organizerの機能を拡充し、BTOを組み合わせてシステム導入の自動化や、システムの追加や変更の設計を容易に行えるようにする。6月から順次機能追加するという。

(@IT 垣内郁栄)

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