今後はストレージとコンシューマ分野に注力、LSIロジック

2006/4/26

 ストレージ用半導体ベンダのLSIロジックは4月25日、広範囲の市場における特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)サプライヤから方向転換し、ストレージやコンシューマ向け電子機器市場に注力すると発表した。今後、非注力分野への研究開発投資を凍結し、同社の強みが発揮できる分野に資源を集中していく。

LSIロジックの代表取締役社長 小林昭二氏

 LSIロジックは、これまでストレージをはじめ、通信や軍事、医療といった広い範囲の市場で製品を提供してきた。しかし、すでに強みを持っている分野に注力するため、広くソリューションを提供する分野からの撤退を決めた。

 LSIロジックは、コンシューマ分野における家庭でのコンテンツ利用が進むことに注目している。GPSナビゲーション・システムや携帯ゲーム機といったコンシューマ向け機器の端末数は、2009年に4億台に上るとみられる。同社はカスタムソリューションにおける専門技術や、アプリケーションプロセッサのアーキテクチャである「ZEVIO」などの技術で、優位な位置に立ちたいとした。

 ストレージ分野ではシリコンから外部ストレージシステムまで、同社の技術が幅広く取り入れられている状況を説明。サーバやHDD(ハードディスクドライブ)向けのSCSIやシリアル・アタッチトSCSI(SAS)製品の市場シェアは80%に達しているとした。同社は今後も技術の標準化を進め、新技術の市場投入までの時間の短縮やトータルコストの削減など、顧客に向けてメリットを提供するとしている。

 LSIロジックのASIC製品である「RapidChip」の開発は中止する。また、デジタル信号処理プロセッサ(DSP)事業部の売却も予定している。同社は、RapidChipカスタムデザインについては製造の開発を継続し、既存顧客への影響はないとしている。

(@IT 千葉大輔)

[関連リンク]
LSIロジックの発表資料(英文)

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