SAPのオンデマンドCRMはパッケージへの移行を想定した作り
2006/4/26
SAPジャパン バイスプレジデント ストラテジックソリューション営業本部 本部長 三村真宗氏 |
SAPジャパンは4月25日、営業部門の業務の流れを管理するソフトウェア「mySAP CRM」のWeb版「SAP CRM On-Demand」を発売すると発表した。機能を絞り込むことで、初期投資の不要、短時間の導入を実現した。四半期に1回のバージョンアップを計画しており、年内中にマーケティングやサービス分野の機能を追加する予定。従業員数500人以上の中堅・大規模企業を販売先とし、中・小規模企業市場で導入実績を伸ばしているサービス型ソフトウェア(SaaS:Software as a Service)との差別化を明確にする。
「SAP CRM On-Demand」に組み込まれている機能は顧客管理、商談管理などの営業支援機能である。「『低コストで迅速な導入』というニーズに対応した」(SAPジャパン バイスプレジデント ストラテジックソリューション営業本部 本部長 三村真宗氏)というように、同社の主力商品である「mySAP CRM」の機能を限定して搭載し、順次拡張機能を追加できるように開発した。使用者当たり月額8400円。契約期間は使用者数に応じて個別対応。年内に10社への販売を目標としている。
同社の狙いは、「SAP CRM On-Demand」を糸口として、「mySAP CRM」への移行を促すことにある。営業支援業務だけで用途が閉じていれば問題はないが、多くの場合、長く使用すればするほど、基幹系システムとのデータ連携が必要となってくる。規模が大きな企業であればその傾向はさらに強い。同社では、基幹システムとの連携を行う際に、ホスティング・サービスでは機能的な不足が生じてくるとして、サーバを自社運用することで使用する「mySAP CRM」への移行手順をあらかじめ用意している。従業員数500人以上の企業への導入を優先するというメッセージは、Webによる営業支援ツールの導入を皮切りに、長期的には、情報技術による長期的な企業戦略策定を同社で提供していくという意思の表れである。
(@IT 谷古宇浩司)
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