Asianuxプロジェクトの3社が合弁会社を設立

2006/4/27

 ミラクル・リナックスと中国のRed Flag Software(レッドフラグ)、韓国のHaansoft(ハーンソフト)の3社は4月26日、LinuxOS「Asianux」(アジアナックス)と、同OSに同梱するオープンソース・ソフトウェア(OSS)の共同開発を主目的とした合弁会社「Asianux Corporation」を設立すると発表した。現在、中国政府に申請中で、認可がおりる5月に会社の設立を予定している。資本金は約9200万円で北京に拠点を構える。

ミラクル・リナックス 代表取締役社長 佐藤武氏

 Asianuxは2003年12月にレッドフラグとミラクル・リナックスの共同プロジェクトとしてスタートした。2004年10月にハーンソフトがプロジェクトに参加し、2005年8月にAsianux2.0をリリース。2007年3月にAsianux3.0のリリースを予定している。

 Asianuxは、中国の郵政システムや韓国の国家教育システムに利用されるなど、これまで順調に開発や導入が進んできたといえる。改めて法人化することについて、ミラクル・リナックス 代表取締役社長 佐藤武氏は「ベンダとの契約を3カ国別々に結ぶことは難しく、1つの法人を作る必要性があった。また、アジアを広くカバーしていくために1つの組織としてアライアンスやマーケティングを求められていた」と話す。

 Asianux Corporationは、ハードウェアベンダとのOEM契約やパートナー企業との協業で収益を得る。今後3年間でAsianuxブランドで144億円の売上げを目指し、そのうちの20%〜30%の売上げを日本国内の目標としている。

 販売、開発パートナーは「協業開発メンバー」と「技術アライアンスメンバー」の2種あり、現在、インドやパキスタンなどの企業からオファーがあるという。ミラクル・リナックス 戦略事業推進室 室長 児玉崇氏は「ビジネスだけではなく技術力、開発力のある企業を優先的に選んでいきたい」と話し、3年間で10社のパートナー獲得を目標とする。

 また、佐藤氏は、「世界的にみるとRed HatやSUSEの勢力が強いが、アジアにおける両者の勢力は欧米ほどでない」として「アジアで強固な地盤を築き、サーバ分野でアジアのデファクトスタンダードになりたい」と語った。

 中国と韓国では、それぞれレッドフラグやハーンソフトが高いシェアを持っている。中国や韓国以外のアジアの国でいかにシェアを拡大できるのかがAsianux成功の鍵となる。

(@IT 千葉大輔)

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ミラクル・リナックスの発表資料

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