Asianuxプロジェクトに韓国ハーンソフトが参加
2004/10/27
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Haansoft バイスプレジデント Tae-Jin kang氏 |
ミラクル・リナックスと中国のRed Flag Software(レッドフラッグ)が2003年12月から共同で開発してきたLinuxOS「Asianux」(アジアナックス)の開発陣に韓国のHaansoft(ハーンソフト)が加わった。3社は10月21日、韓国ソウル市で北東アジア地域におけるLinuxの標準版を確立するため、「Asianux」(アジアナックス)の共同開発に関して、調印式を行った。来日したHaansoft バイスプレジデント Tae-Jin kang氏は「ソフトウェアのほとんどは欧米から輸入したもの。この状況を変えるのは簡単ではないし、単独ではできない」とし、「Asianux」プロジェクトの参加に意欲をみせた。
この合意により3社は中国北京にあるオラクル中国開発センター内のLinux共同開発センターで開発作業を進めることになる。2005年1月に次期バージョンのAsianux2.0(IA32/IPF/X86-64)の共同開発を開始し、2005年9月にリリースする予定。Asianux2.0を元に、ミラクル・リナックスは「Miracle Linux V4.0」、レッドフラッグは「Redflag AS 4.2」、ハーンソフトは「Haansoft Linux 2005」として、各社のブランド名で製品化する計画である。ミラクル・リナックス 代表取締役社長 佐藤武氏は韓国ドラマのファンで「美しき日々」も観ているという。日本での韓国ブームはドラマだけではなく、経済やITにも波及するというのが佐藤氏の持論で、「ハーンソフトの参加で『Asianux』が真のアジア標準Linuxになることが可能となるだろう」と話す。
Asianuxプロジェクトは、ミラクルやレッドフラッグ、ハーンソフトといった独立系ソフトウェアベンダだけが開発に携わるものではなく、その後ろには各国政府機関のバックアップがある。中国の場合、レッドフラッグが開発するデスクトップOSとしてのLinuxに資金面、人材面での援助を行う中国科学軟件研究所や北京寒油創業投資有限公司のようなベンチャーキャピタルの存在がある。一方、韓国でもマイクロソフトのOfficeに依存しない独自のオフィス製品普及を図るためにLinuxがトリガーとなっており、韓国ソフトウェア新興院や韓国情報通信部情報通信政策局といった政府機関がサポートを行っている。日本では経済産業省および総務省のような中央省庁がオープンソースソフトウェアの技術開発に支援をしているという状況である。
これら3国のソフトウェアベンダの動きはいずれも、Linuxを核としたオープンソースソフトウェアの開発を通じて、アジア地域独自の標準を確立し、米国中心で動いてきたIT業界の動きに刺激を与える、という狙いがある。
(編集局 谷古宇浩司)
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