オープンソース化でライセンス料をCPUに回すべき?
2006/5/16
情報処理推進機構(IPA)は5月15日、IPAのオープンソースソフトウェア・センター(OSSセンター)の活動を通じて蓄積してきた情報をWebサイト上で公開するオープンソース情報データベース「OSS iPedia」を公開した。IPAの分科会が行ってきた性能評価情報や導入事例情報、Q&Aを含んだナレッジベースの3種類のカテゴリが用意されている。
オープンソースソフトウェア・センター センター長 田代秀一氏 |
性能評価は、IPAが2004年以降集めてきた「信頼性・性能評価および障害解析ツール」に関する公開情報の強化・整備を行い、新たに検索エンジンを一新した。このプロジェクトは、「OSS活用基盤整備事業(テーマ型)」として日立製作所など7社が中心となって行ったもの。同プロジェクトが発足以来蓄積してきた情報の中から、当初約200件の情報を公開する。公開情報は、性能評価方法やサーバ種類など30種類以上の検索項目を用いて探すことができる。
OSSセンター研究員 鈴木友峰氏は、「2005年3月にWebサイトで公開した評価情報のファイルは1年間で50万ダウンロードを超えた。2005年下期にはデュアルコアなどの新しいハードウェアでの検証も行った。例えば、PostgreSQL8.1.2は大幅に改良され、複数CPUの場合でも、8CPUくらいまでならきちんと能力を出せていた。従って、有料ソフトからオープンソースソフトウェアに変更すれば、ソフトウェアのライセンスフィーをCPUに回すのも選択肢の1つになったといえる」とコメントした。
導入事例情報は、当初16社から登録された約70件のシステム構築事例に基づいて、業種やシステム用途など100種類以上の検索項目を用意している。ナレッジデータベースでは、Q&Aや用語集、ディレクトリで構成され、OSSに関する基本的事項や最新トピックなど約400項目を公開している。
これらのデータベースには、一般ユーザーも情報登録できるが事前登録が必要。その際「審査とまではいかないが、入会時に『登録した情報に責任が持てるか?』などを判断し、実際に電話をかけてみたりもするなど審査らしいものは存在する。個人でも条件を満たせば登録可能だ」(鈴木氏)と説明した。また、性能評価では使用ツールやハードウェア構成、テスト手順といった、あらかじめ決められた仕様に基づいて行ってもらい、再現性を確保してもらいたいと語った。
また、今後の方向性について田代氏は、「OSSセンターの重要な柱になっていくだろう。サイト立ち上げ当初なので、ユーザーの声に耳を傾け、今後も改良を続けていきたい」とコメントした。
(@IT 大津心)
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