ベルキン、802.11nドラフト準拠の無線ルータを8月発売
2006/5/31
米ベルキンは5月30日、無線LANの次世代規格であるIEEE 802.11nのドラフト規格に準拠した「N1 Wirelessシリーズ」を8月上旬から販売開始すると発表した。20MHzモードの場合で最大150Mbpsのリンクレートを実現できるとしている。
米ベルキン・コーポレーション アジアパシフィック担当バイスプレジデント エリック・トン氏 |
ベルキンが8月上旬に出荷を開始する新製品「N1 Wirelessシリーズ」は、アセロス・コミュニケーションの無線LANソリューション「XSPAN」を採用し、IEEE 802.11nのドラフト1.0規格に準拠した製品。802.11nのドラフト1.0規格は2006年3月に策定されたもので、最終的な802.11nは2007年夏ころに批准される予定だ。
802.11nは、20MHzモードの場合で最大144Mbps、40MHzモードの場合で最大300Mbpsを可能にし、帯域幅をフルに活用することでHD画像を転送しながら、ストリーミングやオンラインゲームなどを利用できるマルチタスクを得意とする。日本の場合、現在は40MHzモードでの使用が禁止されているため、20MHzモードだけを利用しており、スループットは最大144Mbps、実行で75Mbps程度だとされる。また、3つのアンテナを使ったMIMO技術を利用することで、最大426メートルの伝送距離を実現した。
今回ベルキンが発売する「N1 Wirelessシリーズ」は、無線ルータとノートPC用無線カード、無線USBアダプタの3製品。ルータと無線カードを8月に発売し、USBアダプタは10月に出荷開始の予定だ。価格はルータが19800円、無線カードが12800円、USBアダプタは価格未定となっている。
N1 Wirelessシリーズのルータ。前面のLEDパネルで状態が一目で分かる仕組みになっている | N1 Wirelessシリーズの無線LANカード。これでHD映像をストリーミング受信しても、帯域を圧迫することが少ないという |
トン氏はIEEE 802.11nが正式策定された際に、ドラフト1.0と大きく異なった場合について触れ、「現在のドラフト1.0に大きな変更を加えるためには、70%以上の支持が必要であるため、これまでの経験から可能性は低いだろう。小さな変更であれば、ファームウェアアップデートで対応できるので、正式策定後に対応ファームウェアを提供して対応できると思う」との考えを述べた。
(@IT 大津心)
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