日本版SOX法の準備状況は企業規模に比例、IT統制協議会調査
2006/6/22
三井情報開発総合研究所が主催した日本版SOX法に関するセミナー参加者へのアンケート調査で、売り上げ規模が大きい会社ほど、日本版SOX法への対応準備が進んでいるとの結果が出た。売上高が1000億円以上の企業では約半数が社内プロジェクトを立ち上げて取り組みを開始した。一方、売上高500億円以下の企業では約7割の企業が取り組みを開始していないなど、企業規模による違いが顕著に出ている。
アンケート調査は同社が3月、5月に開催したセミナーの参加者に実施。有効回答者数は149だった。三井情報開発総研が立ち上げた「IT統制協議会」の会報が結果を伝えた。
回答者数全体では約45%の企業が日本版SOX法について「社外業務コンサルと契約」「社外コンサルを選定中」「着手段階」としていて、取り組みを開始している。取り組みを開始していない企業は約55%だった。取り組みの進み具合は売り上げ規模に比例している。売上高1兆円以上の企業では16.7%が社外コンサルと契約済み、50%が社外コンサルを選定中と回答した。着手段階は16.7%。「いまだ取り組みをしていない」と答えたのは16.7%だった。
3000億円から1兆円の企業では、49.9%の企業が取り組みを開始。1000億円から3000億円以下の企業では42.1%が取り組みを始めていた。500億円から1000億円以下の企業では58.1%の企業が取り組みを開始していたが、IT統制協議会は「IT系企業がこのレンジに集中していることが要因」としている。売上高が500億円以下の企業では69.2%が未着手。社外業務コンサルと契約したのは5.8%、社外コンサルを選定中は1.9%、着手段階は23.1%だった。
企業規模に比例する対応準備の進展は、従業員別に準備状況を聞いた別の調査でも見て取れる。IT統制協議会は「売り上げ規模の大きい企業では文書化、内部監査対応やこれらに必要なコンサルタントを各社早めに確保する動きとなっている」と解説している。
業種別では情報通信業の取り組みが最も進んでいて、53.8%の企業が「着手段階」と回答。社外業務コンサルと契約が15.4%、社外コンサルを選定中が7.7%だった。未着手は23.1%。次いで卸・小売業の取り組みが進んでいて、48.3%が着手済みと回答した。製造業、金融・保険業、不動産業、サービス業はほぼ同じ準備状況で、着手済みは金融・保険業、不動産業で44.4%などとなっている。
IT統制協議会はIT統制に関心がある個人が参加。すでに60人が参加している。IT統制のあるべき姿や規制の動向などについて情報共有する。分科会を設けて、7月にも公表されると見られる日本版SOX法「実施基準」の公開草案についての意見表明なども行う考え。
(@IT 垣内郁栄)
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三井情報開発総合研究所
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