ソニーグループ企業を味方にしたアイシロン、国内で拡販

2006/6/29

来日した米アイシロンの副社長 トム・ぺティグルー(Tom Pettigrew)氏

 ソニー・ブロードバンドソリューション(SBS)とストレージベンダのアイシロン・システムズは6月28日、1次販売代理店契約を締結したと発表した。アイシロンはすでに東京エレクトロン、テクマトリックスなど5社を国内におけるディストリビュータとしており、ソニー・ブロードバンドソリューションは6社目の販売パートナーになった。

 ソニーと伊藤忠テクノサイエンスの合弁会社であるSBSは、業務用AVシステムやFeliCaなどを使ったセキュリティシステム、コンテンツ制作・配信支援などに関し、コンサルティングやシステムインテグレーション、ネットワークインフラ構築、保守業務を行っている。

 同社の代表取締役社長斉藤昭宏氏は、メディア管理において、「メイン・システムに組み込まれる高価なディスクドライブとデープライブラリの中間に、増設が簡単でリーズナブルなストレージが必要」と話し、アイシロンのストレージ「Isilon IQ」シリーズはこのニーズにフィットすると説明した。金融機関における監視カメラの撮影データの長期保管や、ゲーム開発会社のアーカイブ構築といった用途に、アイシロンの製品は浸透していくだろうという。

 同社はエンターテイメント、放送、科学技術計算の3分野を中心に、アイシロンの製品を中核としたソリューションを、システム全体で今年度約10億円販売する予定。

 アイシロンは、米リアル・ネットワークス出身者が立ち上げた会社。放送局やゲーム開発の現場におけるストレージニーズを随所に取り入れていることが特色だ。

 同社のストレージ製品は、同社が「ノード」と呼ぶNASボックスをクラスタ構成することにより、膨大なストレージ容量を単一ボリュームとして構成できる。現在、88ノードで最大528Tバイトを1ボリュームとして構成できることになっているが、理論的には上限はないという。各NASボックスの頭脳部分は相互に協調し、多数の筐(きょう)体にまたがって単一のファイルシステムを構成、この下でファイルを管理することができる。

 ディスクドライブの増設に際しては、追加されたディスクドライブがほかのディスクドライブと同様な消費率になるよう、自動的な再配置が実施される。ストレージが稼働中のままでディスクドライブを増設することが可能で、約60秒で増設作業は終了するという。

 アイシロンの日本法人が設立されてから約1年が経過したが、同社代表取締役瀧口昭彦氏はすでに20〜30社に同社の製品が導入されていると話した。今後1〜2年間で、日本と韓国の2市場を合わせて3〜4ぺタバイトを販売し、同社の世界売り上げの15%を目指したいと話した。

(@IT 三木泉)

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アイシロン・システムズ

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