復活したJD Edwardsブランド、国内はETO、定額制ERP軸に

2006/7/28

 米オラクルのOracle JD Edwards EnterpriseOne 製品戦略担当 バイスプレジデントのライル・エクドール(Lyle Ekdahl)氏は7月27日会見し、定額制で短期導入する中堅企業向けのERPパッケージ「JD Edwards EnterpriseOne Rapid Start」について、「パートナー企業や顧客が、特定産業や自らの業務に適したテンプレートを開発できる『コンフィグレーション開発キット』を今年後半に欧米で提供開始する」と話した。

米オラクルのOracle JD Edwards EnterpriseOne 製品戦略担当 バイスプレジデントのライル・エクドール氏

 Rapid Startはカスタマイズを行わず、あらかじめ設定されたビジネスプロセスをそのまま使うことで定額制や短期導入を実現するパッケージ。だが、コンフィグレーション開発キットを組み合わせることで、柔軟性も確保できることになる。Rapid Startは日本オラクル、日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)が7月25日に拡充版を発表し、国内でも本格展開するとしている。だが、コンフィグレーション開発キットの国内提供は「計画しているが、時期は未定」(日本オラクル)という。

 オラクルはJD Edwards EnterpriseOneと、Rapid Startを柱に、売上高で1000億円以下の国内中堅企業の市場を開拓する方針。しかし、中堅企業市場は手厚いサポートを提供する国産ERPベンダの牙城。エクドール氏は「JD Edwards EnterpriseOneは米国や欧州、オーストラリア、ニュージーランド、中東などで強い。その経験と、30年におよぶERPのノウハウを日本で生かせるだろう」と話し、国内市場での展開に自信を見せた。同氏は特に「日本ではCRM、個別受注生産(ETO)、Rapid Startの個別受注生産版の3エリアにフォーカスしたい」と語った。

 JD Edwardsブランドは、2003年の旧ピープルソフトによる買収後で1度消えた。しかし、ピープルソフトを2004年末に買収したオラクルはJD Edwardsブランドを復活させた。エクドール氏は「多くの中堅企業に知られていたJD Edwardsブランドの価値をオラクルが理解していたのだろう」と話した。

(@IT 垣内郁栄)

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日本オラクル
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