【株誤発注】みずほ証券が東証に404億円賠償求める、東証は「応じない」
2006/8/23
東京証券取引所の代表取締役社長 西室泰三氏は8月22日会見し、株式の誤発注で407億円の損失を出したみずほ証券が、東証に対し404億円の損害賠償の支払いを求める催告書を8月18日に送付してきたことを明らかにした。みずほ証は誤発注後、発注を取り消すよう端末を操作したが、東証側のシステム障害で取り消しができず、損失が広がったとしている。
損害賠償の支払期限は9月15日。みずほ証は、東証側が賠償金を支払わない場合は民事訴訟など法的な措置に訴えるとしている。賠償請求に対して、東証は「現時点では応じる用意はない」と明言。「裁判所など第三者を交えた場で話し合う可能性が高い」(東証)としていて、戦う姿勢だ。
東証とみずほ証は、役員や担当事務局の間でこれまで計11回の話し合いを持ったが合意できなかった。東証は「システム障害があったことは認めている」。しかし、東証の「取引参加者規程」15条では「当取引所は、取引参加者が業務上当取引所の市場の施設の利用に関して損害を受けることがあっても、当取引所に故意又は重過失が認められる場合を除き、これを賠償する責めに任じない」と定めている。東証側はこの規程を盾に損害賠償の免責を主張する考えだ。
みずほ証は「催告書を送付したのは事実だが、当事者間の協議なので詳細は話せない」としながらも、「催告書は協議の1つの手続き。これで協議を打ち切るわけではなく、今後も可能性を探っていきたい」と話した。
みずほ証は2005年12月8日、東証マザーズに新規上場したジェイコム株について「61万円で1株」と注文するところを誤って「1円で61万株」と発注。みずほ証は発注を取り消す指示を出したが、東証の株式・CB売買システムの不具合で指示が受け付けられなかった。
東証は次世代売買システムを2009年に稼働させる計画。8月22日には開発を希望するベンダ向けの手続き案内をWebサイトに掲載した。東証は「世界最高水準の機能を有するシステムの効率的な開発が必要になるので、開発担当ベンダには高い技術力、開発能力などが求められる」としている。
(@IT 垣内郁栄)
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