3PAR、電気や水道のように使えるストレージの低価格版

2006/8/30

米3PAR マーケティング担当副社長 クレイグ・ヌネス氏

 米3PARデータは米国時間8月28日、同社のストレージシリーズ「InServ」でミッドレンジの製品「InServ E200」を発表し、日本国内でも同日出荷開始した。これまで大規模拠点向けに提供されてきた同シリーズの機能をそのまま搭載しながら、拡張性を限定したモデル。災害復旧用のバックアップ拠点の構築やシステム開発・テスト用の環境、中規模ASPなどにおける導入を狙っている。

 「E200」は、EMCの「CLARiX CX3-40」と競合する製品。米3PARのマーケティング担当副社長 クレイグ・ヌネス(Craig Nunes)氏は、CX3-40に対するE200の優位性として、上位製品とデータ管理が共通であるほか、搭載された2つのストレージ・コントローラが各ボリュームに対してアクティブ―アクティブで稼働することを指摘。さらにファイバチャネルとiSCSIのインターフェイスを同時に利用できることなどを挙げた。

InServ E200

 E200は3Uサイズのシャーシ当たり16ドライブが搭載でき、8シャーシ構成で最大128台のディスクドライブを搭載可能。ラックは1m、2m、あるいはサードパーティ製の製品を利用することができる。サーバ接続用には、8ポートのファイバチャネル・ポートを標準搭載しているが、最大構成ではファイバチャネルを12ポート、iSCSIを4ポート構成できる。ヌネス氏は「SANスイッチの導入や運用のコストや手間を避けたいユーザーは多い。より小さな規模のユーザーは特にこうしたニーズが顕著」と話した。

 3PARのストレージ製品の最大の特徴は、アプリケーションやOSには大量のディスクドライブ容量が確保されているように見せておきながら、これらアプリケーションやOSへの物理的なディスク容量割り当ては実際の書き込み分のみに抑えることができる技術。つまり特定のアプリケーションやOSがディスクドライブの特定物理領域を占有するのでなく、空き領域はどのアプリケーションやOSも利用できる共有スペースとなるため、過剰なディスク領域割り当てによる無駄が起こらず、ディスク利用効率が大幅にアップする。

 E200でもこの機能は変わらない。ストレージの管理作業がほとんど不要という使いやすさと併せ、電気や水道のように使える「ユーティリティ・ストレージ」として、ユーザー部門が主導権を握る利用環境に向けて売り込んでいきたいという。価格は保守料込みで1000万円以下から。

(@IT 三木泉)

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3PARの発表資料

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