オンラインゲームが教育に役立つことを実証する、東大馬場章研究室など
2006/8/30
東京大学大学院情報学環 教授 馬場章氏 |
東京大学大学院情報学環 馬場章研究室では、コーエーなどと協力してオンラインゲームを教育目的に利用するための研究を行っている。この研究は2005年2月に研究計画を発表し、8月29日に第1回の中間成果を公表した。
同研究は、市販のオンラインゲームを使って、教育効果の測定を行いながら、オンラインゲームを教育現場で活用するための方法を発見・確立することを目的とする。この研究で得られた成果をゲームの評価法に反映させ、制作支援に結び付けるという2次的な目標もある。研究を主導する東京大学大学院情報学環 教授 馬場章氏は、オンラインゲームを新しい教育方法(生徒側にとっては学習方法)のためのツールとして利用できるとしている。
研究期間は2005年10月から2010年9月まで。詫間電波工業高等専門学校(香川県詫間市)の1・2年生を対象に、コーエーのオンラインゲーム「大航海時代Online」と「信長の野望Online」を教材として歴史の授業を行う。この実験的な授業を通じて、馬場氏は4つの仮説を検証していくとする。
すなわち、(オンラインゲームを用いることで)授業に対するモチベーションの向上が図れること、物理的知識量の増大の実現、歴史的な時代認識の深まり、協調性やコミュニケーション能力の向上の4点だ。効果の測定方法は生徒へのアンケート調査を中心とする。質問項目の内容については、当面、心理学や社会学の分野における既存の研究成果を応用する。
実証実験は、ハードウェアの検証やソフトウェアのインストールといった環境構築から始まり、授業の組み立てなどもすべて手作りで行われた。オンラインゲームを活用した授業では、あらかじめ課題を設定し(歴史上の人物と写真撮影をするなど)、その後に、資料やインターネットを使って、「16世紀ヨーロッパについて」などのテーマで壁新聞を作成した。そのうえで、生徒にアンケートをとり(授業は楽しかったかなど)、データを収集した。
(@IT 谷古宇浩司)
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東京大学情報学環馬場研究室
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