ITインフラ管理をすぐ始められるワンストップボックス、ラリタン

2006/9/13

 日本ラリタン・コンピュータは9月12日、ITインフラ監視アプライアンス「CommandCenter NOC日本語版」を販売開始したことを発表した。

 遠隔から複数のコンピュータを1組のキーボードやマウスによって制御できるKVMソリューションで知られる同社だが、ITサービス管理の観点からいえば、KVMはいわばトラブル発生後の管理ツール。今回のITインフラ監視製品は、ITインフラの可用性やパフォーマンスを維持し、トラブルについても発生時あるいは発生前に、管理者が対策を実施するためのツールとしての役割を担う。

 「当社でも2年前、CEOの香港出張時にExchange Serverがダウンし、管理者は真夜中にたたき起こされて復旧作業に当たったことがある。これでは後追いの管理だ。新製品では、ユーザーがトラブルを知る前に、能動的に対策が打てる」と米ラリタンのグローバルマーケティング担当上級副社長 セブ・オニシェキヴィッチ(Sev Onyshkevych)氏は話した。

米ラリタン グローバルマーケティング担当上級副社長 セブ・オニシェキヴィッチ氏

 CommandCenter NOCはアプライアンス形態の製品シリーズで、Windows OSを搭載したコンピュータに対してはWMI(Windows Management Instrumentation)、そのほかのコンピュータやネットワーク機器に対してはSNMPを利用し、サーバやクライアントPCの資産管理、サービス監視などを行うほか、ネットワークトラフィック分析やネットワーク脆弱性スキャン/侵入検知の機能を提供する。

 「従来の管理製品と競合するつもりはない。操作がやさしく、導入が簡単でその日から使えるというメリットを訴えていく」と同社代表取締役の井上賢二氏は話す。

 ネットワーク管理やシステム管理の製品は、OpenViewやJP1をはじめ、多くの製品がすでに提供されている。日本ラリタンが新製品で狙うのは、こうした既存管理製品が導入されていないようなユーザー企業だ。「既存製品は1つ1つの機能がモジュール化されていて、大掛かりなシステムになってしまう。それぞれを深く管理するにはいいが、機能が豊富なために複雑だし、高価だ。このため、大規模な企業でしか活用されていない」(同社戦略マーケティング部長 栗田正人氏)

 CommandCenter NOCは、中堅から中小企業において、1人あるいは少人数であらゆるITの管理を行う担当者に焦点を当て、分かりやすい一覧性に優れたリアルタイムレポート画面を提供。管理初心者でもこの製品を利用しながらスキルを習得していけるように配慮しているという。管理対象にエージェントソフトウェアのインストールは不要で、管理にも専用クライアントソフトのインストールは必要ない。WebブラウザだけでITインフラの状況を常時監視し、異常発生時には画面上で警告するほか、電子メールなどによる通知も可能にしている。

 新製品は従来のKVMソリューションとはターゲットが異なることから、日本ラリタンでは新たに販売チャネルを拡充していきたいという。

 価格は、最大10台のWindowsサーバ、100台のPC、10台のネットワーク機器および非Windowsサーバを管理対象とすることのできる最下位製品「CommandCenter NOC 100」が約120万円。対象を25台のWindowsサーバ、250台のPC、25台のネットワーク機器および非Windowsサーバに広げた「CommandCenter NOC 250」はその約2倍。さらに複数の機能特化アプライアンスを組み合わせたより大規模な企業向けの製品もある。販売目標は年間約300台。

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日本ラリタンの発表資料

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