日立のNGNは2010年に5000億円ビジネスになる
2006/9/22
日立製作所 情報・通信グループ 副グループ長兼CTO 高橋直也氏 |
日立製作所は9月21日、「NGN」(Next Generation Network)をキーワードに、情報・ネットワーク事業で2010年度に連結売り上げ5000億円を目指すと発表した。同事業の2005年度における売り上げは3400億円であることから、年平均成長率は約8%の計算となる。「日立とグループ企業で、ネットワーク関連事業には約1万人がかかわっている。この1万人の総力を結集して目標達成を目指す」と、情報・通信グループ 副グループ長兼CTOの高橋直也氏は語った。
同社は広義のNGNを成長の原動力として、キャリア向けネットワーク事業、企業ネットワーク事業およびネットワーク型新事業、トータルソリューション事業の3本柱で5000億円を達成する。
まずキャリア向けネットワーク事業では、特に光アクセスにおいてG-PONやGE-PON、モバイルアクセスではEV-DO Rev.A対応基地局、光伝送では容易な大容量化を実現するOADM製品、IPトランスポートではアラクサラネットワークスのハイエンドルータなどを軸とする。その上のサービスプラットフォームとしてはネットワークサービス基盤の「PROGNET」、同日に発表した大規模映像配信システム「Videonet.tv/Lite」、Webサービス連携を可能にする「Cosminexus」、米Kabiraのリアルタイム・トランザクション制御製品などを推進。これらを通じ、2005年度では約1700億円だったキャリア向け通信・ネットワーク関連売り上げを、2010年には2200〜2300億円に押し上げる。
企業ネットワーク事業では、通信サービスの「NGN化」がセキュリティ、品質保証、モビリティなどを担保するようになると、企業における通信とネットワークの利用方法がさらに高度化するとして、IPテレフォニー・ソリューションである「Communimax」とNGNを連携させるなどを進めていくという。また、NGNに対応したASP向けのシステム構築基盤によりQoS認証、課金などを実現するといった新事業を開拓していく。
企業ネットワーク事業は、2005年度の売り上げ1800億円を2010年には2300億円に伸ばすことが目標。
トータルソリューションはまだ立ち上がっていない事業だが、日立の事業部を横串で通すような総合力を生かしたソリューションにより、2010年で500億円程度の売り上げを目指す。例えば、サーバ、ストレージ、RFID、ネットワーク、情報家電などを適宜組み合わせ、放送・通信融合に対応した映像サービスや生活サービスのプラットフォームを提供していきたいという。
今後の事業拡大に向けた体制を整えるため、同社は10月1日付で、日立コミュニケーションテクノロジーにキャリア向けだけでなく企業向けのネットワーク製品事業を統合する。同時に約2700名規模の日立情報通信エンジニアリングを設立し、NGNソリューションのためのエンジニアリング事業を強化するという。
なお、NGNへの取り組みについてNECとの違いをたずねられた同社の情報・通信グループCOO 竹村哲夫氏は、「NECは全ドメインをNGNに対応させると言っているが、日立は勝てる領域に絞っている。また、情報家電を持っていることも大きな強み」と話した。
(@IT 三木泉)
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