Officeソフトでマイクロソフトと全面対決、キングソフト

2006/9/22

中国キングソフト CEO 雷軍氏

 キングソフトは9月21日、オフィスソフト「KINGSOFT Office 2007」日本語版を発売すると発表した。価格は4980円。同社のWebサイトを通じてのダウンロード販売のみ。2007年度中に10万ダウンロードを目指す。

 同社の親会社である中国キングソフトは、1988年にMS-DOS版を発売した。「中国のオフィスソフト市場では90%以上のシェアを獲得していた」(中国キングソフト CEO 雷軍氏)人気製品だったが、1995年にマイクロソフトが「Microsoft Office」で同市場に参入してからシェアが急激に下落、10%台にまで落ち込んだ。その後、シェア巻き返しを図るため、3年間の開発期間を割いて600万行のソースコードをリライト、「WPS Office 2005」の名称で発売し、20%超までシェアを盛り返した(中国PC Newsの統計データ)。

 今回日本で発売する「KINGSOFT Office 2007」日本語版は、「WPS Office 2005」を日本語化したもの。文書作成、表計算、プレゼンテーションの3つのアプリケーションソフトがセットになっている。それぞれ、マイクロソフトのWord、Excel、PowerPointに対応しており、機能群のおよそ80%はマイクロソフト製品と同じであるという。デモンストレーションを見る限りでは、(アイコンの場所なども含めた)インターフェイスや操作性、機能そのものは、「Microsoft Office」と酷似している。「特許および著作権違反については、あらかじめ調べ、問題はない、マイクロソフトの独占状態を打破するには、互換路線しかない」(キングソフト 代表取締役 広沢一郎氏)と同社は判断した。

 セキュリティソフトの「KINGSOFT InternetSecurity2007」も発売する。この製品もダウンロード販売のみで、6カ月間は無償で利用できる。1年間の使用料は980円。無期限版も3900円で用意した。無期限版はWindows Vistaまで対応し、マイクロソフトの公式サポートが終了しても使用可能とした。発売後2年間で200万人の課金ユーザー獲得を目標とする。

(@IT 谷古宇浩司)

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