新ノートンが「PCを遅くしない」というのはどういうことか?
2006/10/6
シマンテック シニア プロダクト マーケティング マネージャ 風間彩氏 |
シマンテックは10月5日、9月21日に発表した「ノートン・インターネットセキュリティ 2007」の詳細な機能解説を記者向けに行った。同発表会後に記者から新機能に関する質問がいくつか寄せられ、改めて機能の解説に焦点をあてた説明会が必要と判断した。
同社が独自に行った調査結果によると、消費者がPCの性能においてストレスを感じるのは「動作が遅い」(58.2%)ということであった。ノートン・インターネットセキュリティは、その仕様の性質上、PCにイントールされると、ある一定量のメモリを占有し、CPUに負荷をかける。UIの反応速度は同ソフトをインストールする前と比較すると遅くなる。
ノートン・インターネットセキュリティ 2007では、パフォーマンスの向上に焦点をあてて機能強化を行った。ポイントは「ブート時間の短縮」「使用メモリの削減」「UIの反応速度」「スキャンの高速化」「Web閲覧の高速化」の5点である。
ブート時間への影響は5〜10%削減、これはシステムの設計段階から見直した。また、メモリの占有量は10〜15MBに削減。稼働するプロセスの数を従来の9から4にまで減らした。また、不必要なメモリをOSに開放するロジックも組み込んだ。
UIはUIエンジンの再設計を行い、80%の高速化を行った。特に非アクティブ時のUIプロセスにおけるメモリ消費量を削減したり、スキャンなどの処理中のUI表示も最適化するように設計し直した。
さらに、ウイルス定義ファイルの構造的な管理を効率化し、ウイルススキャンのアルゴリズムも効率化、全コンポーネントから不必要なCPU負荷を特定し、削除するようにするなどの機能強化を行い、スキャン速度を30〜35%に高速化した。
Webの閲覧については、I/Oの集中する処理の非セキュリティ関連の負荷を特定・削除するなどして、45%の高速化を実現している。
カーネルモードのルートキット検出・修復という機能についても質問が多かったと同社はいう。カーネルモードのルートキットは通常、OSファイルシステムのすぐ上にフックしている。ディスクボリュームに直接アクセスすることで、カーネルモードのルートキットを迂回(うかい)することが可能となる。未知のルートキット検出のための新しいヒューリスティックを採用した。これらの機能は、ベリタスのNetBackupで利用されているVxMSのダイレクトボリュームアクセス技術を活用している。
なお、ノートン・インターネットセキュリティ 2007から提供モデルが変わる。従来、使用者が新機能や機能強化を手に入れるには新製品の購入が必要だったが、ノートン・インターネットセキュリティ 2007以降は、1年間の更新サービス有効期間にメジャーバージョンアップを含む機能強化も行えるようになる。サービスの延長期間は1年単位である。
(@IT 谷古宇浩司)
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