「ウイルスバスター 2007」発表、ネット経由で「進化し続ける」

2006/8/31

 トレンドマイクロはコンシューマ向けセキュリティソフトウェアの新版「ウイルスバスター 2007 トレンド フレックス セキュリティ」を9月22日に発売すると発表した。ネット上のサービスと連携し、PC紛失時に特定のフォルダだけをロックする機能などを追加したのが最大の特徴。トレンドマイクロの日本代表 大三川彰彦氏は「キーワードは進化し続けるネット経由のセキュリティサービス。(クライアントソフトウェアとの)ハイブリッド型で複合的な脅威に対抗する」と話した。

トレンドマイクロの日本代表 大三川彰彦氏

 ネット経由のサービスは「トレンド フレックス セキュリティ」の名称。ウイルスバスター 2007のユーザーでなくても利用できる無償サービスと、ユーザー向けサービスの2種がある。無償サービスはセキュリティ関連のニュース購読や、PCのウイルス、スパイウェア検出をネット経由で行う「オンラインスキャン」、スパイウェアが不正動作していないかを監視する常駐クライアントソフトウェアの「セキュリティウォッチャー」、オンラインバンキングなどで利用できる「ソフトウェアキーボード」を用意する。

 ユーザー向けサービスはPCの特定のフォルダをロックする「リモートファイルロック」。PCを紛失したり、盗難に遭った場合、トレンド フレックス セキュリティのWebサイトにアクセスしてフォルダをロックする操作を行えば、ほかの者がフォルダにアクセスしても開くことができない。正規ユーザーが使う場合はフォルダを開く際にパスワードを入力(オフライン時)。ネットワーク接続時はパスワードを入力しなくてもフォルダを開くことができる。リモートファイルロックは2006年第4四半期(10-12月期)に提供予定。

 また、2006年第4四半期にはリモートコントロールツールを使ったサポートも提供する予定。当初はトレンドマイクロのサポート担当者がユーザーのデスクトップ画面をリモートで閲覧し、障害復旧などを指示する内容だが、2007年第1四半期にはサポート担当者がユーザーのPCをリモートで操作できるようにする。トレンド フレックス セキュリティは今後もサービスを追加する方針。

 ウイルスバスター 2007は新たにスパイウェア対策の機能を追加。フィッシング詐欺サイトにアクセスした際に警告を出す「フィッシングチェッカー」なども追加した。不審ソフトウェアの警戒システム、ルートキット検出などの機能も実装する。ウイルス特有の動作を検知して駆除する「ヒューリスティック検索」もある。

 価格は通常版が6594円(トレンドマイクロ オンラインショップ価格)。これまでのバージョンは1つのシリアルナンバーでPC1台にしかインストールできなかったが、ウイルスバスター 2007は1つのシリアルナンバーで3台のPCまで同時に使えるようにした。「家庭におけるコンピュータの所有の実情に合わせた」(トレンドマイクロ)という。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
トレンドマイクロの発表資料

[関連記事]
トレンドマイクロがサービス事業本格化、3社程度と協力へ (@ITNews)
ワンランク上のスパイウェア対策を求める人に〜トレンドマイクロ (@ITNews)
「セキュリティソフトの押し売りに注意」、シマンテック (@ITNews)
シマンテックが新サービス「Genesis」発表、そして「Security 2.0」へ (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)