「速度だけでない」インテル、vProによるPC管理コスト低減をアピール
2006/10/12
米インテル デジタル・エンタープライズ事業本部 デジタルオフィス事業部長 グレゴリー・ブライアント氏 |
インテルは10月11日、「インテルvProテクノロジー」の国内市場における立ち上がりをアピールする「インテルvProテクノロジー・コンファレンス」を開催した。
来日した米インテル デジタル・エンタープライズ事業本部 デジタルオフィス事業部長 グレゴリー・ブライアント(Gregory Briant)氏は、「われわれはクロックスピードを上げるだけでなく、現実の問題を解決する」とし、vProはビジネス向けデスクトップPCの管理性向上によって運用負荷を大幅に削減できると説明した。
同コンファレンスにゲストとして登壇した三菱東京UFJ銀行のシステム部長 根本武彦氏は、vProが「PCのライフサイクルにわたって約20億円のコスト削減につながると期待している」と語った。同社は30万台のPCを利用しており、国内ではPC関連のトラブルを短時間で解決するため、相当なコストをかけているという。
vProは現在、インテルが「インテルCore 2 Duoプロセッサー」「インテルQ965 Expressチップセット」「インテル82566DMギガビット・ネットワーク・コネクション」をハードウェア的な構成要素として提供しているPC管理機能の集合体。電源が投入されていないPCの資産情報の取得、遠隔的なPCの電源オン/オフと遠隔制御、PCへの攻撃や社内ウイルス感染拡大を防ぐトラフィック・フィルタリング機能などを実装している。日立製作所は管理プラットフォーム「JP1」の資産・配布管理ツールにおけるvProサポートを同日に発表。クオリティも同社のIT資産管理ソフト「QAW/QND」の次期バージョン(2007年第1四半期に販売開始)でvProをサポートするという。
また、インテルはvProの一部として、セキュリティ機能の向上を目的とした同社独自のバーチャルマシン・モニタ(VMM)である「Intel VMM」を無償で提供。ソフトウェアベンダはこのうえに、OSに依存せず、エンドユーザーが回避することのできない安定したセキュリティシステムを実装することができる。例えばレノボはパッチ管理システム「Antidote」をIntel VMMに対応させ、2007年中に出荷の予定。シマンテックは、Intel VMM上で動作するPCベースの侵入検知システムを開発中だ(提供時期は未定)。
インテルは今後も、vProの機能をソフトウェア、ハードウェアの両面で拡張していく。2007年前半には、現時点でデスクトップPCに限定されているvProをノートパソコン新機種にも組み込む。また、「LaGrande」という開発コード名で呼ばれてきた「トラステッド・エクセキューション・テクノロジー」は2007年半ばにまずデスクトップPC用にリリースされた後、ノートPCにも展開される。ブライアント氏は「2007〜2008年にはさらに機能を拡張していく。新機能の例としてはソフトウェア・メータリングや、ソフトウェア・ストリーミングの加速化などが考えられる」と話した。
(@IT 三木泉)
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