2007年末に出荷開始
ノキア、Bluetoothの10分の1の消費電力になる無線技術開発
2006/10/26
ノキアは10月26日、報道関係者向けの記者会見を開催し、同社のテクノロジ戦略をノキア 上級副社長兼CTO テロ・オヤンペラ(Tero Ojanpera)氏が説明した。
オヤンペラ氏は、テクノロジを「企業の成長を促し、コスト優位性に貢献するもの」と定義。ノキアは高い技術によって、35%のマーケットシェアと営業利益率約20%を実現しているとした。そして、個別のテクノロジだけでなく、それらを統合的に組み合わせることによって、さらに価値を高めることができているという。日本については、「日本はイノベーションの源泉だ。日本からは毎年数十億ドル単位でパーツを購入しており、当社にとって不可欠の存在だ」とコメントした。
ノキアのテクノロジに対する優先事項には、「インターネットへの取り組み」「ソフトウェアプラットフォームとアプリケーション」「一貫性のあるアーキテクチャで開発者をサポート」「マルチラジオ(無線)の製品化と進化」を挙げた。インターネットへの取り組みでは、「インターネットは固定回線からモバイルへと移行してきている」と分析。携帯電話専用ブラウザやフルブラウザ搭載機種が増加している中、さまざまな携帯電話向けWebアプリケーションの開発に注力するという。
ソフトウェアプラットフォームとアプリケーションでは、SafariベースのWebブラウザの開発やLinuxベースのプラットフォームなど、オープンソースを積極的に取り入れていく。アーキテクチャは、Symbian OSをベースとして、Java、Flash、ブラウザを軸としてブレをなくすことで、優秀な開発者を獲得していきたいとした。
ノキアが発表した近距離無線通信規格「Wibree」は、超低消費電力がウリの新技術。Wibreeの説明を行ったノキア Corporate Strategy,Technology Out-Licensing責任者 ハッリ・テュリマー氏は、「Bluetoothの補完技術だと考えてほしい。競合するのではなく、統合できる点がポイントだ。Wibreeは新しいプラットフォームで、プロトコルも新たに設計する。既存のプラットフォームでは難しいレベルの超低消費電力を実現し、いままで無線搭載できなかった製品にも搭載させたい」と語り、Bluetoothと競合しない点を強調した。
具体的には、時計やスポーツセンサー、体内埋め込み型の医療分野、おもちゃやインテリジェントジュエリーなど、従来は搭載が難しかった分野の製品にも積極的に搭載していく。現在、Bluetoothにも対応したデュアルモードのチップも開発中。どの程度、低消費電力化が図れるかについて、テュリマー氏は「アプリケーションに依存する割合が強い」と断ったうえで、「Wibreeのみのチップで、Wibree向けに最適かされたアプリケーションの場合、Bluetoothの10分の1程度の消費電力となるだろう」と説明した。
Wibreeの導入スケジュールは、チップのプロトタイプを2007年春に出荷し、2007年第2四半期に仕様確定、2007年末には最初の製品を出荷。2008年にBluetoothにも対応したデュアルモードのチップを出荷したいとした。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
最新記事
|
|