呼制御と音声処理の分離で柔軟性と拡張性を向上

沖の新CTstageは新たなターゲット層の取り込みを狙う

2006/11/07

 沖電気は11月7日、コンタクトセンターシステム/CTIサーバ「CTstage」の新バージョン「CTstage 5i」を2007年1月に出荷開始すると発表した。

 4年振りにメジャーバージョンアップしたCTstage 5iの最大の特徴は、幅広い導入規模に対応したこと。従来のCTstageは数百席までのコンタクトセンターをターゲットとしていたが、拡張性と堅牢性の向上により、最大2500席までの構成が可能になったという。

oki01.jpg 新製品を説明した沖電気 情報通信事業グループ IPシステムカンパニー マルチメディアメッセージングカンパニー プレジデント 小出勝義氏

 CTstageでは従来、回線ボードを挿したPCサーバ上でソフトウェアを動作させていた。しかし新バージョンでは、この回線ボードの部分を切り出し、ボックス型のゲートウェイ装置に任せる構成に変更された。つまり、公衆回線による着信呼はまずゲートウェイでVoIPに変換され、CTstageに渡されて自動音声応答などが行われるが、VoIPセッションはゲートウェイと社内のIP電話機あるいはPC上のソフトフォンの間で張られることになる。

 これにより、PCサーバは音声処理から解放され、CTstageの中核機能に専念できるようになった。加えて各サーバに回線ボードを装着する必要がなくなったため、最新のPCサーバ機種を利用できるようになったほか、一般の負荷分散技術を利用した処理能力の向上がやりやすくなった。

 CTstage 5iで採用されたゲートウェイは、同社のIP-PBX「SS9100」に利用されているものと同一。沖電気では、CTstage 5iとSS9100の組み合わせで、全社的コールセンターも実現できるとしている。音声処理部分のPCサーバからの分離は、可用性向上にも寄与している。CTstageサーバがダウンしても、ゲートウェイが内蔵のIP-PBX機能を動作させ、通話ができるようになっている。

 CTstage 5iでは、他社製も含めてどのコンタクトセンターシステムもリーチできていない潜在ユーザーの掘り起こしも狙っている。このために沖電気では製品のパッケージングにも工夫を凝らした。

 まず、新たに提供する「エントリーモデル」では、CTstageの機能をすべて持たせながら、IP電話機への通話のためのLAN配線と、PCにつながるデータ通信のためのLAN配線を完全に分離。さらに外部との会話の音声品質を向上させる技術「マイeおと」を組み込んで、コンタクトセンターでのVoIP利用に伴う音声品質への不安の払拭を図っている。また、「IP電話機単独ログオンモデル」はさらにIPコンタクトセンターの敷居を低くするため、PC連携をなくし、IP電話機のみでログオン・ログオフや在席表示ができるようになっている。同モデルは20席限定で、CTstageの基本機能のみが利用できる。

 標準価格は50席のモデルで3000万円から。同社は初年度1500セットを販売目標としている。

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(@IT 三木泉)

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