Weekly Top 10
日本製ロボットに感激したビル・ゲイツ会長
2007/06/19
@ITニュースの先週のランキングトップはシマンテックの調査レポートを伝えた「『PCは遅い!』、ユーザーの6割がストレス」だった。年々パフォーマンスが向上するPCだが、それ以上にソフトウェアの肥大が進んでいるとの指摘がある。画像や動画、音楽などマルチメディア系のソフトウェアを扱う機会も増え、ユーザーの体感速度は低下しているようだ。
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ビル・ゲイツ会長がロボットに感激
PCのアーキテクチャの変化に合わせて、ソフトウェアもアーキテクチャを変えざるを得ない。「メニーコアCPUの登場で、ソフトウェアは超並列処理と複雑さへの挑戦が求められる」と話すのはマイクロソフトの業務執行役員 最高技術責任者の加治佐俊一氏だ。6月18日の「WinHEC 2007 Tokyo」で述べた。プロセッサはクアッドコアに突入したばかりだが、プロセッサベンダはさらなるメニーコアを計画している。
加治佐氏によると、複雑な超並列処理を効率的に行うソフトウェアが備えるべき特徴は、「疎結合」「非同期」「分散」「並行処理」「回復力」など。マイクロソフトはすでにこの超並列処理に対応したソフトウェア開発をスタートさせていて、実行環境として「Concurrency and Coordination Runtime」(CCR)を開発した。
マイクロソフトがCCRを実証する場として選んだのはロボットだった。ロボットは多数のセンサからなり、常に何らかの情報を入出力している。いわば情報を超並列処理しているわけで、「CCR導入の有効なテストになる」(加治佐氏)と判断した。マイクロソフトは2006年12月にロボット用の開発ツールである「Robotics Studio」を発表した。Robotics StudioはCCRを採用している。
そもそもマイクロソフトはロボットの将来に強い興味を持っているようだ。目をつけたのはビル・ゲイツ会長。2004年春に日本の近藤科学が開発したロボットキット「KHR-1」を見て「PCが登場したときの状況に似ている。ロボット工学が今後の変革だ。すべての家庭にロボットを」と感激。Robotics Studioの開発を決断したという。
マイクロソフトはCCRに対応したロボットがPCやサーバ、デバイスと連携することも想定。加治佐氏は「ロボットとCCRで次の可能性を開く」と話した。
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