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@IT > HP ProLiantの評価を高める管理機能 |
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のx86サーバ「HP ProLiant」が市場で評価され続けている大きな理由に、管理機能の充実が挙げられる。1対1のスペックの比較だけでは違いを見いだしにくいx86サーバという製品カテゴリにおいては、中長期的なTCO削減につながる管理運用面での利便性、優位性が市場で支持されることになる。 今回新たに提供を開始した同社のメインストリームサーバ「HP ProLiant 300シリーズGeneration 5(G5)」には、さまざまな管理、運用をサポートする機能が実装されている。また、従来から提供している保守サービスはもちろん、日本HPの国内拠点(自社工場)にて顧客の要望に応じたインテグレーションを施し、ハードウェアの導入時の手間を省く「Factory Express」など、システムの導入から継続的な運用に至るあらゆるシーンで、ユーザーの利便性やリソース削減を実現するサービスやツールが数多く提供されている。
HP ProLiant 300シリーズG5(ML370/DL360/DL380)に新たに搭載された「Systems Insight Display」は、サーバ内部の情報を簡単に目視確認できるモニター表示装置だ。電源、メモリ、プロセッサ、PCIライザーインターロック、筐体内の温度から冷却ファンの状態までを、マシン前面のLED画面で簡単に確認できる。さらにメモリミラーリングやオンラインスペアメモリの状況をも確認でき、CPUについてはプロセッサパワーモジュールの監視も行える。これにより、損傷を受けたコンポーネントを瞬時に特定でき、そのための管理用ソフトウェアは別途必要としない。
「従来であれば、これらのコンポーネントのトラブルは筐体を開いて内部のパーツを直接確認しなければならなかった」と、インダストリースタンダードサーバ製品本部プロダクトマーケティング部担当部長の礒佐江氏は説明する。メモリのミラーリングの状況などについては、たとえ筐体を開けて直接目視確認したとしても、分かるものではない。サーバヘルス状態を迅速に診断し、トラブルシューティング情報探索を容易にするSystems Insight Displayは、実際に運用を継続していくと、その効果を実感する機能であろう。
HP Integrated Lights-Out 2(iLO 2)は、HP ProLiantをリモート制御するための機能で、インテリジェントなマネジメントプロセッサとファームウェアで構成される。新世代のHP ProLiant 300/500シリーズおよびブレード型サーバに標準で搭載され、実際にサーバの前に座ってキーボードやマウス、電源ボタンを操作するのと同様の管理作業が、リモートから実行できる。内蔵されたシステムヘルス機能により、OSに依存せずに基本的なシステム管理情報にアクセスでき、サーバの管理作業のために設置場所へ出向く回数が削減できる。このようなリモート管理用のプロセッサを、標準でオンボードに搭載しているサーバは、HPの他にはほとんど存在しないだろう。
また、プロセッサの使用状況と、パフォーマンスに応じてプロセッサの消費電力を自動調整する、ダイナミックパワーセービングモードもリモートから切り替えできる。かつ、従来から提供されていたiLOのパフォーマンスを大幅に改善し、仮想KVM(グラフィックモード)では、反応速度が最大で従来の20倍となっている。これにより、コンソールスイッチに直接接続するのとほとんど変わらない操作性を実現する。さらに、より高度なリモート管理環境を提供するオプションとして、2つのアップグレードオプションも用意されている。 iLO 2によるリモート管理機能とは別に、無償の遠隔モニタリングサービス「HP ISEE(Instant Support Enterprise Edition)」が用意されている。サーバにインストールされたISEEクライアントツールを介して日本HPへハードウェア障害を自動通知し、保守契約の形態に応じて障害対応を行うことが可能だ。標準保証内であれば、無償での対応となる。HP ISEEはワールドワイドのプログラムで、すでに10万台以上のサーバをモニタリングしている実績があると言う。監視項目は、メモリ縮退、CPU縮退、CPU異常、ディスクアレイ縮退、ディスク縮退、ディスク異常、SCSI/Fibre Channelエラー、電源異常、ファン異常、筐体内温度異常、UPS電源異常、UPS寿命情報となり、サーバ本体だけでなくディスク装置やUPS電源までもが遠隔モニタリングの対象となる。 この他にも、HPでは運用管理を支援するためのソフトウェアを提供している。HP ProLiant Essentials製品は、システムの導入から運用までをトータルでサポートする運用管理支援ソフトウェア群だ。多くのハードウェアベンダーが、管理ツールなどはサードパーティーからのOEM調達で提供しているのに対し、HPは自社開発のソフトウェア製品として提供している。さらに、ハードウェアの開発部隊のすぐ近くで、ハードとソフト双方の部隊が協業体制で開発しているため、当然ながらHP ProLiant製品との親和性は極めて高く、“痒いところに手の届く”製品となっている。 Essentialsソフトウェア製品の要として標準提供される「HP Systems Insight Manager」は、複数のサーバを効率的に管理するためのプロットフォームとなる。32bit、64bit両環境対応のHP ProLiantを一元的に管理可能だ。
まるっきり新規にシステムを導入するというのであれば、上記に挙げた管理ツールや初期導入のサポート体制などを利用することで、管理者、設計者の作業を大幅に削減することもできるだろう。しかしながら、多数の既存システムを抱えていれば、必ずそれらのシステムのリプレースのタイミングがやってくる。その際には、OSがハードウェアと密接に関係しているため既存環境から離れられなかったり、リプレース後に同じ環境が構築でき、アプリケーションが正確に動作するかの検証に多くの時間を費やすかもしれない。そもそも、多数のサーバのリプレースをしなければならないと、OSのインストール作業だけでも相当な工数が必要となる。さらに、手動のインストール作業では、人為的ミスの発生すら心配しなければならない。 HPでは、このリプレース作業の負荷をマイグレーションツールにより大幅に削減する。前出のHP ProLiant Essentials製品の1つである「Server Migration Pack P2ProLiant Edition」は、他社のサーバあるいは旧型のHP ProLiantから最新のHP ProLiantに移行するためのツールだ。移行方法は、簡単に言えば、「ハードウェア以外のデータをそのままコピーする」というもの。P2ProLiantコントロール用のPCにツールをインストールし、移行元、移行先とともにネットワークに接続する。あとは、ツール画面の指示に従って、必要な情報を記述すれば自動的に移行が開始される。自動化された移行プロセスのなかでドライバの互換性を解決し、パーティションサイズの再調整もおこなわれる。 繰り返しになるが、x86アーキテクチャのサーバの場合、スペック表だけでは顧客が優位性を理解するのが難しい面もある。もちろん、最先端の技術をバランスよく組み込むことで、サーバの性能面でも優位性は示せる。とは言え、そのサーバを中長期に渡って使用したときに感じられるメリットこそ、選択時の大きな判断材料となるはずだ。運用管理機能の充実度やベンダーとしてのサポートの体制、サービスの質といったものが、最新のサーバ性能とうまくかみ合うことで、トータルな投資効果を発揮できると言える。
提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社 企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT編集部 掲載内容有効期限:2006年10月31日 |
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