基幹システム仮想化はHP-UX、で3社が協業

2006/6/28

HP-UX仮想化ソリューション普及でNEC、日本HP、日立が手を取り合った

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)とNEC、日立製作所の3社は6月27日、HP-UX上の仮想化技術の普及を図るため、アプリケーションの検証を中心とした共同プロジェクトを開始することで合意したと発表した。

 HP-UXでは「HP Virtual Server Environment」(VSE)という仮想化技術が提供されている。VSEでは、各サーバ・ハードウェアのリソースを物理的/論理的に分割し、HP-UX上で動作するアプリケーション・グループに対して固定的あるいは動的に割り当てることができる。複数のサーバにわたるリソースの割り当てや、サーバ間のアプリケーション・フェイルオーバーを実現できるオプションも提供されている。

 しかし、HP-UXが対象とする基幹システム運用においては、VSEのアプリケーション・パフォーマンスへの影響や動作の安定性についてユーザー企業の抱く不安を払しょくしきれず、これまで国内での導入は少数にとどまってきたという。

 米HPでは、アプリケーション、データベース、HP-UX、サーバ・ハードウェアの特定バージョンの組み合わせについて、動作やパフォーマンスの検証を行い、それぞれについてパフォーマンス上の影響や構成・設定上の注意点などを「VSEリファレンスアーキテクチャ」としてまとめている。今回の発表では、3社がそれぞれ専任のエンジニア部隊を割り当てるとともに検証センターを設置し、米国のVSEリファレンスアーキテクチャに掲載されている組み合わせを再検証するほか、国内のアプリケーションを組み合わせに含めた国内独自のリファレンスアーキテクチャを構築するという。

 さらに3社はこの検証の結果を活用して、日本HPは「Superdome」、NECは「NX7700」、日立は「HA8500」といったItaniumプロセッサファミリ・ベースのサーバ・ハードウェア上での基幹システム導入案件に仮想化機能を提案していくという。

 当初この検証活動の対象となるアプリケーションはOracle database 10g、Oracle Application Server 10g、BEAWebLogic、SAP、HiRDB、Cosminexus、WebOTX、JP1、WebSAM、CLUSTERPRO、HP OpenViewなど。対象ソフトウェアは、順次拡大していく予定。

 これまでVSEの導入では、案件ごとにソフトウェアの組み合わせを検証していたが、リファレンスアーキテクチャを構築することで、導入構成の標準化を促進するとともに、個別の検証に要する時間を大幅に短縮することができる。また、蓄積されたノウハウを活用することで、設定やチューニング作業の質の向上にもつながるという。

(@IT 三木泉)

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日本HPの発表資料

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