HPが仮想化ソフト投入、ブレードサーバは特別でなくなったか

2005/10/12

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は10月11日、ブレードサーバを対象に、物理的に格納してあるサーバのOSやアプリケーションを仮想環境に移行するウィザード形式の新ツール「HP ProLiant Essentials Server Migration Pack」(SMP)を11月下旬に出荷開始すると発表した。HPは一般業務でのブレードサーバの利用が増加し、サーバ統合などで仮想化のニーズも高まると判断。工数をかけずに仮想化環境へ移行できる新ツールを投入する。

日本HPの執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 本部長 松本芳武氏

 HPの執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 本部長 松本芳武氏は、HPが販売するブレードサーバで、Windows OSを搭載するサーバの比率が半期ごとに高くなっていることを説明したうえで、「ブレードサーバは従来はハイパフォーマンス・コンピューティングなど領域を限定して利用するケースが多かったが、一般ビジネスでの利用が増加している」と指摘した。

 また、1プロセッサではなく2プロセッサのブレードサーバの売り上げが増えているとして、「高密度・高集積性重視から性能・機能を重視する顧客が増えている」と説明。「ミッションクリティカルな業務での採用が増加している」とした。

 SMPは、HPが同日発表したブレードサーバ仮想化の新コンセプト「HP ProLiant Essentials Virtualization Management Software」(VMS)の1製品。ブレードサーバのOS、アプリケーション構成を物理環境から仮想環境に移す際に利用するウィザードツールで、「従来、数日から数週間必要だったレガシーシステムのOS、アプリケーションの移行を数分で完了させる」(HP)。

 マイグレーション元は他社製サーバにも対応。VMware ESX、VMware GSX、Microsoft Virtual Serverを使ってマイグレーション先の環境を仮想化し、WindowsやLinuxなどヘテロジニアス環境のOSを仮想的に統合する。仮想環境は、VMSのもう1つのツールである「HP ProLiant Essentials Virtual Machine Management Pack」(VMM)で一元管理する。SMPは、仮想環境から物理環境への移行や、仮想環境から別の仮想環境への移行にも対応する。

 ブレードサーバ向けのサービスメニューも拡充する。HPのエンジニアがブレードサーバを使ったシステムの要件定義からシステム設計、導入まどを提供するエンドユーザー、パートナー向けのサービス「HP BladeSystem Optimized エクスプレスサービス」を開始する。HPのエンジニアが直接、ブレードサーバのインストレーション、セットアップを行う「Rapid Deployment Pack スタートアップサービス」も提供する。

 HPのブレードサーバはこれまで直接販売が多かったが、顧客層の広がりを受けて間接販売を拡大する。現在10社程度が参加している「HP BladeSystemパートナー」の募集を継続。パートナーにはトレーニングの提供やデモ機器の特別価格での販売、HP内でのOJTを含む技術ノウハウの提供などを行う。

(@IT 垣内郁栄)

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日本ヒューレット・パッカードの発表資料

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