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Windows 7の姿がおぼろげながらに見えてきた。しかし、それを待たずとも最新のテクノロジーを享受することができる。前回紹介した「3つの強化ポイント」に続き、Windows Vista SP1へ移行するために知っておいて損はない情報をお送りしよう。
前回は、Windows Vista SP1 と Internet Explorer 8 の導入をおすすめする理由として「多様化するセキュリティ ニーズへの対応」「ユーザー部門における生産性の向上」「環境に配慮した運用環境の実現」とWindows Vista SP1の優れた機能の詳細に迫ってみた。Windows 7を待つのではなく、なぜいまWindows Vista+IE8の組み合わせを導入するべきなのかをご紹介しよう。
いますぐ知らないと後悔する |
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前回、強化されたWindows Vistaの機能を紹介し、クライアントOSとして最適である旨を述べた。しかし、次のクライアントOSであるWindows 7のニュースが出始めたことで、Windows Vista導入を迷っている方もおられるかもしれない。さらに、Windows 7の詳細についてはまだあまり情報が出ていないせいもあり、「カーネルレベルで変更されて、Vistaから大幅に変わるのではないか」との誤解が生まれつつあるようだ。
しかし、Windows 7を待つ必要はない。むしろ、今はWindows VistaとIE8で検証を開始すべきタイミングなのだ。そのことを、以下の3点を中心に、主に投資効果の面から解説しよう。
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理由その1:Windows VistaとWindows 7は同一カーネルベース |
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ここでもう一度、カーネルという考え方を整理しよう。カーネルとは、OSとしての基本機能を提供する中核部分で、これが変わるとドライバを替える必要があったり、同じバージョンのアプリケーションが使えなくなるなどの影響が出る。クライアントOSを変更するとなると、今使えているアプリケーションソフトウェアや周辺機器がそのまま使えるのかということが大きな問題になる。もしドライバの変更など面倒な作業がどうしても必要ならば、その回数は少なくしたいというのが管理者の本音だろう。今ここでクライアントOS変更という苦労をして、数年後のハードウェア入れ替えでまだ同じ苦労をするくらいなら、今は古いOSのままでもいいと思いたくなるのは人情だ。
現在使われているクライアントOSはたくさんのバージョンがあるように見えるが、実はカーネルレベルでは、NT4カーネル、NT5カーネル、NT6に当たるLonghornカーネルの3つだ(図1)。Windows 7は次期OSの開発コード名だが、Windows Vista SP1のカーネルを強化する形で開発が行われている(ハードディスクの暗号化などのセキュリティ機能や、外部からネットワークに接続する際にVPNをわざわざ張らなくていいようにする機能、コマンドシェルを使って管理者が多数のクライアントを一括管理できるようにする機能などの追加が予定されている)。
つまり、名前こそ“7”となっているものの、カーネルレベルでのバージョンは6.1なのである。Windows Vistaは新カーネルの1つめのOSであり、このカーネル自体がさらに変わるのは当分先になる。
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図1 Windows 7はWindows Vista SP1のカーネルをベースとして開発中 |
これは、以下のようなことを意味する。
- Windows XPからの移行の手間は、Windows VistaにするのもWindows 7にするのも同じ
- 一方、Windows VistaからWindows 7に移行するのは、あまり手間がかからない
- Windows Vista向けに新規にアプリケーション開発をしても、それはWindows 7でも問題なく動作する可能性が高い。なぜなら、Windows Vistaは、アプリケーション、デバイスドライバなどの高い互換性を実現することを目標として開発されているからだ。
つまり、今、クライアントPCを入れ替える必要があるならば、まだ先になるであろうWindows 7のリリースを待つ必要はないということだ。
理由その2:Webアプリケーションのプラットフォーム、IE8の存在 |
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ここで、ブラウザとしてInternet Explorer 8(IE8)を推奨する理由についても説明しておこう。
IE8の最大の特徴はレンダリングの速さだ。昨今のマルチコアのハードウェアの能力を生かしてレンダリングをパラレル処理する、軽快なWebブラウザとして開発されている。現在、Webアプリケーションを利用している企業は増加しており、ありとあらゆる作業はブラウザ上で行われているといってもいいだろう。JavaScriptをフル活用したリッチクライアントアプリケーションのパフォーマンスはクライアントの性能にも依存するため、「速いブラウザ」「正確なブラウザ」が求められている。つまり、Webブラウザの動作が速いということが、業務の効率化や生産性の向上に寄与するのである。
IE8は、Windows 7の標準ブラウザとなる予定だが、すでにベータ版がリリースされており、アプリケーション開発の際に検証を行うことは可能だ。これを利用してWindows VistaとIE8上での新規Webアプリケーションの検証を始めておけば、それをWindows 7とIE8の環境に移行するのはさして難しくない。
理由その3:移行に伴う課題をクリアする仮想化ソリューション
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移行に伴う課題をクリアするソリューションは、OSとアプリケーションを分離するアプリケーションの仮想化だ。現在、物理的サーバと論理的サーバを分離するサーバの仮想化の普及が広がっているが、それと同様にOSとアプリケーションを分離することで、移行や拡張性などに柔軟性を持たせることができる。そのために有効なのが、Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP)の導入だ。
これは、システムリソースやOSの特性に依存したアプリケーションを仮想化し、新しいシステム上で既存のアプリケーションを利用できるようにする。アプリケーションの仮想化は、Windows Vista上でもWindows 7上でも、導入工数やコストに大きな違いはない。つまり、早期に導入することで、より長期間にわたって、その投資を活用できることになるのである。
図2 App-Vを活用し、アプリケーションの仮想化をいま行うことで、今後の移行コストが削減できる(クリックで拡大します) |
以上のように、新しいクライアントOSへの切り替えの投資効果を考えた場合、Windows 7を待つ必要はない。むしろ、早く新しいカーネルとIE8での開発・検証を始めることが、投資効果の最大化につながるのである。
“クライアントOSとしてのWindows”を取りまく状況はお分かりいただけただろうか。前回の「Windows XPからWindows Vista、強化された3つのポイント」でも紹介したように、Windows Vista SP1 に搭載された優れた機能の数々、そして今回解説した投資効果という側面――アプリケーションへの投資効果を最大にすることや、余裕のある移行を考えると、 Windows 7を待たずに、いますぐWindows Vista SP1 を評価し、早期導入を検討することが重要であることが分かるだろう。
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提供:マイクロソフト株式会社
企画:アイティメディア 営業本部
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2009年2月7日
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Windows 7 を待つべきではない!その理由とは |
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Internet Explorer 8 |
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Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP) |