Vistaの地平第1回 Windows Vistaとは何か? デジタルアドバンテージ 小川 誉久2006/09/15 |
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Windows XPの後継クライアントOSとして開発が進むWindows Vistaの発売がいよいよ秒読み段階に入った。2006年6月より、開発途中のベータ版が広く公開され(2006年9月現在、RC1バージョンがリリースされている)、誰でもWebからダウンロードして評価できるようになった。製品版の発売は、2006年後半から2007年初頭とされている(企業向けボリューム・ライセンスが2006年11月に先行提供され、続いてパッケージが2007年1月に発売される予定)。 この新クライアントOSは、現行のWindows XPと何が違うのか、コンピューティングにどのような可能性をもたらすのか。主にビジネス・ユーザー、IT管理者を対象に、Windows Vistaの概要についてまとめるのが本稿の目的である。 なおこの「Windows Vistaの地平」コーナーでは、Windows Vistaの注目機能を順次取り上げ、解説していく予定だ。ご期待いただきたい。 |
注意:本稿は、Windows Vistaの開発途中版を基に執筆したものです。記事中に記載する情報、掲載する画面内容などは、最終製品版で変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。 |
Windows Vistaの位置付け
前述したとおり、Windows Vista(開発コード名=Longhorn、以下Vistaと略)は、Windows XPの後継となるクライアント向けOSである。“vista”には「見通し」「展望」といった意味がある。Vistaのデスクトップ画面(画面はRC1)を次に示す。
Windows Vistaのデスクトップ画面 |
これはWindows Aeroと呼ばれる新しいGUI。このようにVistaでは、3D表示や透明表示、アニメーション効果などを積極的に採用し、ユーザー・インターフェイスが大幅に変更されている。 |
このようにVistaでは、Windows Aero(エアロ、以下Aero)と呼ばれる新しいグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)が組み込まれ、見た目が大きく変化した。静止画では分かりにくいが、アニメーション効果などもふんだんに使われており、操作感は従来のWindows XPとはかなり異なる部分もある。
ひと目で分かりやすいため、GUIの変更に目を奪われがちだが、セキュリティ機能の強化や処理性能の向上、ネットワーク関連機能の強化、各種標準アプリケーションの追加/強化など、OSレベルの変更からツールの追加まで、かなり大幅な機能強化がなされている。またユーザー向けの機能強化ばかりでなく、大量のクライアントPCにOSを効率よく展開するための機能や管理機能の強化、信頼性の向上など、管理工数を低減する管理者向けの機能強化も多い(これらの詳細については、以後で述べる)。
マイクロソフトのVistaのホームページは以下から参照できる。最新情報が活発に追加されているので、定期的にチェックするとよいだろう。
上記のホームページから、Vistaの詳細な製品ガイド(Word DOC形式、約60Mbytes)をダウンロードできる。このドキュメントでは、エディション(パッケージ種別)ごとの詳細な機能差や、個人(ホーム)ユーザー向け/ビジネス・ユーザー向け/管理者向けのそれぞれに対し、Vistaの特徴や新機能を詳しく解説している。この手のドキュメントにはありがちな、表面的な機能の特徴説明だけでなく、それらの機能が追加・強化された背景なども含めて解説されているので、Vistaについて詳しく知りたいなら一読の価値があるだろう。
Vistaテクノロジをベースとするサーバ、Windows Server “Longhorn”
Windows 2000 ProfessionalとWindows 2000 Server、Windows XPとWindows Server 2003の関係と同じように、現在マイクロソフトは、VistaのテクノロジをベースとするサーバOSを並行して開発中だ。開発コード名はVistaの開発コード名だった“Longhorn”をそのまま使い、「Windows Server “Longhorn”(以下Longhorn Server)」と呼ばれている。このLonghorn Serverでは、Windows Server 2003からさらにセキュリティ機能やネットワーク機能、管理/監視機能などが強化され、サーバOSとしての能力が強化される。
例えばLonghorn Serverでは、GUIを排除し、DHCPサーバやDNS、Active Directoryなどのサーバ機能だけをコマンドラインで操作可能にし、攻撃可能性を最小化するとともに、管理・保守を容易にして処理性能を向上させるServer Coreモードや、次世代WebサーバのIIS 7、強化されたクラスタ・サービス、ポリシーに適合しないコンピュータをネットワークに接続させない検疫機能、大幅に機能強化されたターミナル・サービス、統一的なサーバ管理を可能にするServer Manager、新しいコマンドライン・シェルとなるWindows PowerShellなどが提供される予定だ。
原稿執筆時点での情報では、Longhorn Serverは、2007年に発売される予定になっている。Longhorn Serverについてはまだ分からないことも多いが、すでにホームページ(日本語)が公開されている。このページをチェックしておけば、今後マイクロソフトが順次公開する情報を知ることができるだろう。
INDEX | ||
Vistaの地平 | ||
第1回 Windows Vistaとは何か? | ||
1.Vistaのエディションと機能差 | ||
2.Vista OSの構成 | ||
「 Vistaの地平 」 |
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