アサヒグループにおけるビッグデータへの取り組み――アサヒグループホールディングス株式会社ビッグデータを利活用し、経営のスピードを上げる(2/2 ページ)

» 2014年06月16日 10時00分 公開
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ビッグデータの課題を解決したオラクルのソリューション

 そうした中、アサヒビールでは、昨年Webコミュニケーション機能を統合して、ビッグデータの戦略部隊となるデジタルコミュニケーション戦略室を設置。消費者の行動分析やマーケティング活動の支援、EC企業と連携した取り組みについてWebを基点に展開することとなった。知久氏のIT部門もこの戦略室と強く連携、グループのビッグデータの取り組みを積極的に推進する体制が整ったのだ。

 しかしビッグデータには膨大なデータ間のひも付けが必要なことから、かなりの工数(コスト)と人的リソースが必要となることが課題となった。

「世間ではデータサイエンティストが必要とされているが、私たちのようなメーカーではそうした人材を多数確保する事は難しい」(知久氏)

 また意思決定のプロセスにビッグデータをどう組み込むか、人々の意識をどう変革するかも課題として挙がった。知久氏は「意識の課題が一番難しい。不都合な情報は隠してしまうことなども懸念される。しかし、ネガティブな情報こそ活用するのが大切だ。いいことばかりではビッグデータの意味が無い」と警鐘を鳴らす

 これらの課題のうち幾つかの解決策となったのが、ビッグデータアナリティクス製品「Oracle Endeca Information Discovery」(OEID)の活用である。2013年9月に米国サンフランシスコで開催された「オラクルオープンワールド」に参加した知久氏は、そこで初めて「Endeca」と出会ったという。

「開発者とも直接会話でき、分かりやすく説明してもらえた。彼との会話の中で“Insight”という単語が何度も出てきたのが印象的だった。まさに“洞察”が得られる最適なツールであると感じた。そしてもう1つ頻繁に聞かれた言葉“データサイエンティスト”でなくてもビッグデータ分析を始められるというのには本当に驚かされた。これならうちでもできるのではないかという気持ちになった」と知久氏は振り返る

 想定していた5つの課題のうち、データやIT基盤、人材にまつわる3つの課題はOEIDで解決できることから、いよいよビッグデータプロジェクトが動き出した。プロセスと意識という残りの2つの課題については、プロジェクト中に解決できると判断したのである。

スピード導入で、ビッグデータの効果を実感

 知久氏は、OEIDのメリットについて「業務面では特別な分析スキルがなくても分析できること、そしてIT面では、既存のツールから社内外のデータをそのまま簡単に読み込めて開発の必要がないことが大きい」と語る。

 ビジネス効果としては、従来の手作業から自動化・標準化されることによる効率化、それに構造化データと非構造化を結び付けるのが簡単なことによる新たな気づき、そして現場の誰もが利用できる普遍性が挙げられた。

 ビッグデータ推進のポイントの1つとして知久氏が挙げたのが、スモールスタートだ。

「まずは小さく始めてトライアル&エラーで進めていけばいいと考えた。ある程度の失敗は許容して、とにかくチャレンジすることが大切だ。社員はさまざまなことを学習してスキルノウハウを獲得できるので、次の取り組みにつなげられる。とにかく使い込むのが重要だ」(知久氏)

 OEIDの導入に費やした期間はわずか1か月。知久氏は、「とにかくスピード感があるツールだと驚かされた」という。

 これまでのOEIDの活用事例としては、新商品の在庫の適正化への活用がある。新商品を市場に送り出す際には、発売前にある程度の売り上げを想定して初回出荷し、売り上げに従って在庫を調整する。そこでOEIDの活用により市場の反応を素早く把握し、需給精度を上げていくことを目指したのである。

 まずこれまで手間の掛かっていた業務を自動化したことで、新たな時間創出が図られた。続いて従来、営業部門と生産部門との間でExcelを使ってやり取りしていたことから、フォーマットがばらばらだったPOSデータを、OEIDで直接つなぐことでリードタイムの短縮を実現。さらに、自分たちが所有する構造化データと非構造化データをひも付け定量化することで、新たな気付きを与えるという。

 他にもSNSデータなどを取り込み、販促効果の最大化を目指した営業部門のPDCA強化への検討も進んでいる。「今回、OEIDを導入して分かったのは、社内には情報の宝の山がとてもたくさんあったということ。そうした宝を、部門を越えて共有できるようにするためには、情報だけでなく人も組織もつなげなければいけない」と知久氏は語る。

 今後、アサヒグループでは、ビッグデータの活用をグループのあらゆる業務に浸透させていくという。それによりさらなる経営のスピードアップを実現、顧客への価値提供への貢献を目指していく構えだ。

※本記事は日本オラクルにより提供されたコンテンツを転載したものです。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年7月15日

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