Oracle Exadataによるデータベース統合を進める際には、移行後の環境でパフォーマンス劣化が起きていないか、アプリケーションが問題なく動作しているかといったことに関する検証作業が不可欠だ。Oracle Enterprise Managerは、このテストフェーズで役立つ機能として、データベーステストツール「Oracle Real Application Testing(RAT)」を提供している。
例えば、ERPやCRM、HRMSといった各アプリケーションのデータベースをOracle Exadataに集約する際には、事前に十分なパフォーマンスが得られるかを確認するだろう。このとき、従来の負荷テストツールなどを使った場合、本番環境と同等の負荷を再現するのは容易ではない。本番環境と同じテスト環境を用意し、さらに実際のアプリケーション利用状況を正確に模したテストシナリオを作って検証を実施しなければならないが、そもそも正確なテストシナリオを作るのが至難の業である。実際に経験した方の中には、「こんな非効率なテストでは、投資対効果を考えるとやる意味がない」と感じた方もいるかもしれない。
この問題を劇的に解消するのがRATだ。RATには、既存環境のデータベースワークロードを記録(キャプチャー)し、それを別の環境で再現する「Database Replay」という機能が備わっている。この機能を使えば、現状の本番環境と全く同じ負荷を移行先の環境で正確に再現し、リアルなテストが行えるのだ。しかも、その際にアプリケーション環境を用意する必要はなく、データベース環境さえあればよい。
また、複数のワークロードを統合して同時にテスト環境に適用する「Consolidated DB Replay」という機能も備わっており、ERPやCRM、HRMSなど複数のシステムで使うデータベースを統合した際、十分なパフォーマンスが得られるかといった検証も行えるようになっている。
さらに、Oracle Enterprise Managerにはデータベースのパフォーマンスチューニングを支援する機能も用意されている。これを使えば、移行後の環境で性能上の問題が生じた際、その原因を分析して解決方法のアドバイスを受けることができる。高度なデータベースチューニングのスキルを持たないアプリケーション担当者でも、このアドバイスに従って作業すれば、パフォーマンス上の問題に迅速に対処できるのだ。
「既存環境からOracle Exadataに移行した際、パフォーマンスの劣化が起きることは、まずありません。ただし、まれに実行計画の変更などの影響がSQLの処理性能に及ぶことがあります。そうした場合でも、Oracle Enterprise Managerを使えば、具体的にどうチューニングすべきかといったことまで把握できるので、移行作業の負担を大幅に減らすことができるのです」(平井氏)
このように、Oracle Enterprise Managerは企業が既存の運用管理手法を引き続き使用しつつ、Oracle Databaseを含むOracle Exadataの運用管理を効率的に行うための各種機能を提供している。データベース統合基盤としてOracle Exadataを導入する際には、ぜひ今回紹介した機能をフルにご活用いただきたい。
さて、Oracle ExadataとOracle Enterprise Managerの組み合わせは、単に既存のデータベース運用管理業務を大幅に効率化するだけでなく、アプリケーション担当者などデータベース利用部門にとっての利便性を大きく高めつつITリソースの効率的な利用を実現する「DBaaS(Database as a Service)」の構築基盤としても最適な機能を備えている。次回はそれらの機能を紹介したい。
※本記事は日本オラクルにより提供されたコンテンツを転載したものです。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年7月15日
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