Oracle Exadata X5はハードウエアをインテリジェントにする〜Oracle Database Leaders ClubレポートExadata X5はどこまでハードウエアに切り込んだか?(1/2 ページ)

国内外の多くの企業がメインフレームや汎用サーバーから垂直統合型システムへの移行を進める中、同システムの普及をけん引するオラクルのデータベースマシンに、最新版となる「Oracle Exadata X5」が登場した。[プライベートクラウド/データベース統合][運用管理効率化][高可用性/災害対策][Engineered System][Oracle Database 12c]

» 2015年02月25日 07時05分 公開
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「導入したら、すぐに使える」専用マシンとして市場の支持を得たOracle Exadata

 IT市場において汎用サーバーマシンの売り上げが世界的に下降線をたどる中、オラクルのデータベースマシン「Oracle Exadata」が好調だ。採用/稼働や活用事例が報じられた企業は国内でも50社を超え、ハイエンドのサーバー/ストレージ製品としては他に類を見ないペースで導入が進んでいる。この勢いは世界的に見ても同様であり、ある調査によれば、ソフトウエアとハードウエアを統合した垂直統合型システムの市場で5割を超えてトップを独走しているという。

日本オラクル 副社長執行役員 データベース事業統括の三澤智光氏

 このようにOracle Exadataへの支持が世界的に広がる中、2015年2月、日本オラクルは国内ユーザー企業のIT部門マネジャーらに同データベースマシンの最新情報や活用事例を紹介するセミナー「Oracle Database Leaders Club」を開催。講演を行った日本オラクル 副社長執行役員の三澤智光氏(データベース事業統括)は、その冒頭で「Oracle Exadata事業の好調は、オラクルが提供する垂直統合型システムであるEngineered Systemsの利点が、多くの企業に認知され、支持されたことによります」と強調した。

 三澤氏の言う「Engineered Systemsの利点」とは、端的に言えば“Time to Marketの利”、つまり「導入後、すぐに使える」というメリットである。

 「例えば、汎用のサーバーやストレージでOracle Exadataと同性能のデータベースシステムを構築し、使える状態にするためには、検証、セットアップ、チューニングなどに多くの時間がかかるため、おそらく半年近くの期間が必要となるはずです。もちろん、そうしたエンジニアリング作業の費用も導入コストに上積みされます。

 しかし、Oracle Exadataであれば、筐体が届いてからわずか3〜5日で使える状態にすることができます。この俊敏性と経済性はEngineered Systemsならではのものであり、その価値の高さに多くの組織/企業が気づいたことが、Oracle Exadataの好調につながっているのです」(三澤氏)

Oracle Exadata X5はオールフラッシュストレージをサポート。システムの拡張もより柔軟に

 今年(2015年)1月、そのOracle Exadataの第6世代となる「Oracle Exadata X5」がリリースされた。

 Oracle Exadata X5では、データベースサーバーのCPUに18コアXeonプロセッサー(DRAM容量256〜768GB)を採用。搭載可能なCPUコア数が前世代であるX4の1.5倍に相当する288コアに増強され、最大メモリ容量も4TBから6TBへと拡大した。

 また、ストレージサーバーとしてオールフラッシュモデルの「Oracle Exadata X5-2 Extreme Flash(EF) Storage Server」がサポートされた点でも注目を集めている。この強化により、Oracle Exadata X5におけるフラッシュストレージの容量は、1ラック当たり最大179TB(データスキャン性能:263GB/秒)と、X4の実に4倍に拡大されている。

 一方、Oracle Exadata X5のネットワーク装置は、従来と同様に40GbpsのInfiniBandによる内部接続と、10 G/1Gbps Ethernetの外部接続をサポート。ストレージサーバーにも16コアのXeonプロセッサーが搭載され、データベース処理をストレージにオフロードすることで全体の処理性能を高めている。

 ハードウエア面の強化という観点では、「Elastic(柔軟な)」構成がサポートされた点も「Oracle Exadata X5の売りの一つ」(三澤氏)である。

 X4までのOracle Exadataでは、8台のサーバーと14台のストレージサーバー、およびネットワーク装置から成る「フルラック」と、フルラックの2分の1構成の「ハーフラック」、4分の1構成の「クォーターラック」、8分の1構成の「エイスラック」が用意されていた。

 これに対して、Oracle Exadata X5では、最小構成(データベースサーバー×2台、ストレージサーバー×3台)からスタートした後、必要に応じてデータベースサーバーやストレージサーバーを最小単位で(つまり、1台ずつ)追加していくことが可能となった。この機能強化の対象はX5にとどまらず、V2からX4までの従来世代機でも同様のことが行える。

"ソフトウエアによる革新"がOracle Exadataの真骨頂。だから他社は追いつけない

 Oracle Exadata X5では、当然ながらソフトウエア面での強化も図られている。と言うよりも、むしろソフトウエアの革新こそがOracle Exadataの真骨頂であり、重要なポイントだと三澤氏は語る。

 「Oracle Exadataの最大の優位性は、『革新的なソフトウエア技術によるハードウエアのインテリジェント化』にあります。この取り組みを積み重ねてきたからこそ、標準技術によるハードウエアコンポーネントで構成されるOracle Exadataが、他社製品を圧倒する性能、そして唯一無二の機能を実現できているのです」(三澤氏)

 そうした技術の例として、三澤氏はデータベース検索処理を高速化する「Smart Scan」などを挙げる。

 「導入企業から高い評価をいただいているからSmart Scanも、オラクルのソフトウエアでストレージ装置をインテリジェント化し、サーバーとストレージによる究極の分散処理を実現したことで可能となった仕組みです。また、Oracle Exadataではフラッシュストレージもインテリジェント化されており、ストレージ側がOracle Databaseの動きを理解して動作します。そのため、単にフラッシュストレージを搭載しているだけの他社データベースシステム/アプライアンスでは達し得ない性能/可用性を実現しているわけです」(三澤氏)

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月24日

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