それでは、Oracle Exadata X5では、“ソフトウエア革新によるハードウエアのインテリジェント化”として、新たに何が行われているのか。三澤氏が代表例として紹介したのは、「Exafusion」「Instant Server Death Detection」「In-Memory Fault Tolerance」の三つである。
このうちExafusionは、データベース間通信に最適化されたInfiniBandプロトコルであり、「ネットワークのインテリジェント化により、InfiniBandを介したデータベース間の対話のオーバーヘッドを大きく低減する仕組み」(三澤氏)だ。このプロトコルでは、Oracle DatabaseによるInfiniBandハードウエアに対するダイレクトアクセスを実現。その結果、InfiniBandを通じたOracle Database間の直接対話が可能となり、レイテンシが極小化されることでOLTP処理が従来比で約3倍高速化されるという。
二つ目のInstant Server Death Detectionも、InfiniBandのインテリジェント化によって実現された仕組みだ。これは、InfiniBandスイッチがサーバーのダウン、つまり“Server Death(サーバーの死)”を、死の瞬間に検知するというものである。これにより、クラスターノードの死活監視を行うheartbeat通信のタイムアウトが生じる前にサーバーダウンを検出し、システム全体のフォルトトレラント性を高められるという。
三つ目のIn-Memory Fault Toleranceは、インメモリデータベースに高いフォルトトレント性を付与する仕組みだ。「これは世界で唯一、オラクルだけが実現している機能」だと三澤氏は胸を張る。
In-Memory Fault Toleranceは、Oracle Database 12cのインメモリオプション「Oracle In-Memory Database」に対応した機能であり、その仕組みを簡単にいえば、メモリ上に展開されたデータ(データベーステーブルや特定パーティション内のデータなど)に冗長性を持たせ、一部のメモリがダウンした場合でも、他のメモリによる処理の継続性を担保するというものだ。
例えば、4台のデータベースサーバーから成るクラスター環境上に四つのメモリ空間があるとしよう。In-Memory Fault Toleranceは、データをクラスター化した上でそれぞれを複製し、メモリ空間上に分散配置する。これにより、一つのクラスターノードがダウンした場合でも、他ノードによるフェイルオーバーが実行され、処理の継続とダウンタイムの極小化が実現されるのである。
「今日、さまざまなデータベース製品がインメモリ対応やインメモリデータベースを標ぼうしていますが、企業のミッションクリティカルな用途にも耐え得る高可用なインメモリデータベース環境を構築できるのは、Oracle Database 12cとOracle Exadata X5の組み合わせ以外にありません。このことからも、オラクルがインメモリに本気で取り組んでいることがお分かりいただけるはずです」と三澤氏はOracle Exadata X5の優位性をあらためて訴えて講演を締めくくった。
以上、Oracle Database Leaders Clubで実施された三澤氏の講演の要旨を紹介した。汎用サーバーに代わって台頭する垂直統合型システムの代名詞的な存在となったOracle Exadataは、クラウド、ビッグデータ、インメモリ時代のデータベースマシンとして、X5でさらに大きく進化した。増え続けるデータ、加速するビジネススピードにスムーズかつ適正なコストで対応しながら、将来にわたり安心して使い続けられるデータベース基盤を求める企業にとって、Oracle Exadata X5が提示する解は決定打ともいえる価値を持つはずだ。
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