このように、JR東日本情報システムは事前にきめ細かい検証を行っていたこともあり、大きなトラブルが起きることなく無事に移行期間を終え、2015年6月に新インフラへのリプレースが完了した。塩谷氏は、「夜間バッチの最中にデータ同期が止まり、夜中に出社対応することがあるだろうと覚悟していました」と振り返る。
「Oracle GoldenGateによるデータベース同期でエラーが1つでも出れば、全ての同期処理が止まってしまいます。その場合は当然システム提供ができなくなってしまうため、何か問題が起きたら夜中でも駆け付けて対応するつもりで臨みました。しかし、移行期間中にクリティカルなトラブルが発生することは一度もなく、無事に移行作業を終えることができて安心しています」(塩谷氏)
「常に最悪の事態を想定していた」と話すのは秋山氏だ。
「重要な社会インフラに関わるプロジェクトだけに、常に最悪の事態を想定して動いていましたが、それが取り越し苦労に終わって本当にホッとしました。今回のプロジェクトに携わったチームのメンバー、そしてさまざまな支援をいただいた日本オラクルの皆さんに心から感謝しています」(秋山氏)
平野氏は、Oracle GoldenGateを選んで大正解だったとプロジェクトを総括する。
「品質の観点で言えば、Oracle GoldenGateは二重丸でした。スケジュール面でも作業が遅れるといったトラブルはなく、順調にプロジェクトを進められました。加えて、今回のプロジェクトを通じて日本オラクルからスキルトランスファーを受けたことで、当社のデータベース技術者のスキルも高まりました。これらをトータルで評価すると、Oracle GoldenGateを中心にした切り替え方式の採用は大正解だったと言えます」(平野氏)
今回、JR東日本の輸送総合システムという大規模システムのリプレースを完遂したJR東日本情報システム。同社は今後、新たなビジネスおよびサービスの創出にも力を注ぎ、広くさまざまな業界に提供していきたいと意気込む。同社がこれまでに蓄積したノウハウや知見から、果たしてどのようなビジネス/サービスが生まれるのか? 今後の動向に注目したい。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年6月9日
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