「ストレージが速くなったら、CPUコア数を増やす必要がある」理由をここまで説明してきました。しかし、計算上は正しくても、なかなか現実は簡単ではありません。一般的なデータベース・システムでは、冗長性を考慮してディスク・アレイをSANやNASなどでネットワーク接続することが一般的でしょう。250MB/秒で読み取れるSSDを240本積んだ60GB/秒出る超高速ディスク・アレイを用意して、ボトルネックにならないくらいのCPUを大量に用意したとしても、16Gbps(2GB/秒)のFiberChannel 8本ではネットワークが16GB/秒しか出ずにボトルネックになってしまいますし、大量にCPUがあると、ソフトウェア・ライセンス費用も多額になるかもしれません。
わんこそばで言えば、ミサエさんが1杯を0.1秒で準備できるようになって、1分間に600杯(=60秒÷0.1秒)準備できるようになったとき、1杯を6秒で食べられるタケシくんの友人を60人(=600杯÷(60秒÷6秒))招けば、理論的には1分間に600杯食べられるようになります。しかし、宴会場を用意しなければならないかもしれませんし、厨房設備も大きくする必要があるかもしれません。敷地確保のために移転しないといけないかもしれません。計算上は可能でも、現実的でないことが予想されます。
しかし、1分間に食べられる“杯数”を増やすには、もう1つの方法があります。1杯の量を減らすのです。ミサエさんが1杯を0.1秒で準備できるようになったとしても、1杯を0.6秒で食べられる程度に量に減らせば、友人6人(=600杯÷(60秒÷0.6秒))で十分釣り合いが取れます。これならばお店を移転しなくても良さそうです。
これを現実のデータベース・システムで実現しているのが、「Oracle Exadata」です。Oracle Exadataはストレージ側にもデータベース・ソフトウェアを内蔵しているため、SQLのWHERE句の条件に従って、“ストレージ側で”データをフィルターや結合することができます。つまり、ネットワーク転送する前に大幅にデータ量を減らすことができるわけです(図7)。そのため、ネットワークに大量のデータが流れることもなく、データベース・サーバー側では既にフィルター済みのものだけを処理すれば良いので、データベース・サーバーに大量のCPUは不要になります。この機能はExadata SmartScanと呼ばれ、あるアプリケーション処理ではデータ転送量を100分の1に減らせました。つまり、SmartScanがない環境に比べて、ネットワーク帯域は100分の1、CPUコア数も100分の1で済んだということです。わんこそばの1杯の量を減らすことは誰でもできるかもしれませんが、Oracle Databaseをストレージに内蔵している製品はOracle Exadataしか存在しません。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年6月30日
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