一般的なバックアップでは、「絶対に守りたいデータ」を保護する際にいくつかの障壁があることがお分かりいただけたでしょうか? ここからは、データ損失のリスクを中心に、Recovery Applianceがそれぞれどう解決してくれるのかを見ていきます。
Recovery Applianceの最大の特徴は「ゼロデータロス」であることです。ビデオカメラで一部始終を撮影している状態と一緒で、「抜け漏れなく全てを記録している」ということです。ゼロデータロスをどのように実現しているかを示したのが、図2です。
従来型統合バックアップである「NAS」と「Recovery Appliance」とで、日次バックアップを取得している場合をそれぞれ考えてみましょう。先ほどの運動会で例えると、NASが写真、Recovery Applianceが動画になります。
従来型バックアップでは、毎日午前3時にバックアップを取得しているとします。そこで、ある日の午後8時(図2中では「現在時刻)と表記)に本番のデータベースで障害が発生してデータを失ったとします。
この障害が本番データベース上のREDOログも消失するような障害の場合、バックアップとして復旧できるのは直前の午前3時までですから、その日のデータはほぼ全て失われてしまいます。定期的にアーカイブREDOログをNASに退避する運用をしていたとしても、障害発生時に退避できていない情報は失われます。一方、Recovery Applianceの場合は、バックアップ装置側にREDOログがリアルタイム転送されているので、障害が起こった午後8時の“直前”の状態まで復旧することが可能です。こうした、想定外の事態でも確実なデータ保護ができるのが、Recovery Applianceの強みです。
ここで思い出してほしいのが、運動会でのスチルカメラとビデオカメラの違いです。アクシデントがいつ発生するかは予測がつきません。スチルカメラで写真を撮影し続けていても、転んだ瞬間を見計らってうまく撮影できるわけではありませんし、転んだ瞬間を撮影したためにその後のゴールシーンを取り逃すこともあります。一方、ビデオカメラならば、特に何もしなくても、タイムマシンのように転んだシーンを見返せますし、ゴールシーンを撮り逃すこともありません。従来型バックアップでの運用はスチルカメラ、Recovery Applianceでの運用はビデオカメラというわけです。
課題2に挙げた「バックアップをどう効率的に取得するか」については、Recovery Appliance ではフルバックアップの取得が最初の1回以降は一切不要であるため、劇的に改善します。
転送による負荷、回線増強の手間を考えると、大きなコストメリットが得られることがお分かりいただけるでしょう。
また、課題3に挙げていた「正常にデータベースを復旧できないリスク」については、Recovery Applianceではバックアップの健全性チェックが定期的に自動で行われます。バックアップファイルが万が一破損している場合はリストア・リカバリーする前に気付くことができますし、チェックの際はRecovery Appliance自身のリソースを使うため、データベースサーバのCPUリソース、サーバとストレージを結ぶネットワークのI/Oは消費されないといったメリットもあります。
Recovery Applianceを使う利点はもう1つあります。個別システムごとにバラバラに実施する必要があった管理を「1つのプラットフォーム」として統合管理できるようになります。
例えば、Solarisで稼働するOracle Database 11gをストレージ装置「A」にストレージの機能を使ってバックアップするのと、Linuxで稼働するOracle Database 12cをストレージ装置「B」にストレージの機能を使ってバックアップするのでは、システムのバックアップ要件やバックアップ手順がそれぞれ異なりますから、個別に管理していたことが多かったと思います。
Recovery Applianceを利用すると、こうしたハードウェア、OS、データベースのバージョンなどの違いを超えて、単一のRecovery Applianceに統合し、管理できるようになります。バックアップ統合とリカバリー統合が可能になるのです(図3)。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年11月10日
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