こうした世界中のさまざまな企業へのサービスの提供を通して、オラクルはアナリティクスに関する企業ニーズや活用法などのノウハウを豊富に蓄積してきた。
それらの知見/ノウハウを集大成したものとして、Oracle OpenWorld 2016ではOracle Cloud Platform上のアナリティクスサービスを統合/再編したプラットフォーム「Oracle Analytics Cloud Service」が発表された。これにはOracle BI Cloud Serviceなど既存のサービスが含まれる他、今後は短いサイクルで新たな機能/サービスが順次追加されていく。
サービスメニューとしては、利用規模に応じて「エンタープライズ向け」「部門利用向け」「個人利用向け」が予定される。価格設定についても、従来のユーザー単位での課金に加えてプロセッサ単位での課金や利用時間単位での課金契約が可能となり、用途に応じてより柔軟に導入できるようになった。
「例えば、部門利用向けのサービスとしては、OLAP(OnLine Analytical Processing)サーバとして多くの企業でご利用いただいているEssbaseをクラウドで提供する『Oracle Essbase Cloud Service』や『Oracle Data Visualization Cloud Service』、個人利用向けのサービスとしてはOracle Data Visualization Cloud Serviceの分析機能をデスクトップPCで利用できる『Oracle Data Visualization Desktop』などを用意します。これらは、クラウド上で利用する場合でも従来製品や競合製品を超えるパフォーマンスでアナリティクスを実行できます。2016年から2017年にかけて順次ラインアップの拡充を進めていきますので、ぜひお試しください」(マーティ氏)
それでは、オラクルはOracle Analytics Cloud Serviceを核とするアナリティク技術/製品をどのように普及させていこうとしているのか。その戦略の根底には、近年の「クラウド」や「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」を含む技術の進歩と、企業でアナリティクスを利用する人々の変化があるとマーティ氏は語る。
「これまで、企業がアナリティクスやBIを実践するにあたり、それを下支えしてきたのは『開発者』です。彼らが多様な生データからDWHやデータマートを構築し、レポートを作成していたのです。ただし、そのレポートを使って意思決定を行うのは『ビジネスユーザー』であり、より深い考察を得たければ業務部門などの『アナリスト』に依頼し、別途レポートが作られます。つまり、意思決定上の重要な疑問に対する答えの多くはアナリストによって出されています。オラクルが提供する新たなアナリティクスプラットフォームでは、開発者のみならず、アナリストやビジネスユーザーが“よりスマート”に求める情報を得られる環境を提供していきます」(マーティ氏)
つまり、分析結果を直接活用するビジネスユーザーが、自らの手で必要な分析を行える“セルフサービスBI”環境を実現するというわけだ。その際に必要となるのは、バックエンドのデータ構造や分析/ビジュアル化の技術を知らないビジネスユーザーであっても手軽に利用でき、求める結果をスピーディに得られる環境である。そこでは、オラクルのAI技術が大きな役割を果たすことになる。
「ユーザーが数回のマウスクリックや音声によって命令するだけで、最も知りたい分析結果を即座にビジュアライズして提示する──オラクルがAIを使って実現しようとしているのは、データソースや分析ロジック、ビジュアル化の技術を知らないビジネスユーザーが自ら利用できる次世代のアナリティクス環境なのです」(マーティ氏)
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年12月28日
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