アナリティクスがもっと簡単に 業務ユーザーの身近なツールになる──Oracle Analytics Cloud Service「分析“過程”の共有」「テキスト/音声によるデータビジュアル化」も可能に(3/3 ページ)

» 2016年11月29日 07時00分 公開
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シャドーIT化を防ぐためのデータ分析“過程”の共有、自然言語/音声によるビジュアル化に対応し、さらに使いやすいアナリティクス環境に

 オラクルがAIも活用してアナリティクスをどう変えようとしているのかを、分析にかかわる役割(ロール)に応じて詳しく見ていこう。

 まず業務部門のアナリストの多くは、「ビジネスユーザーからの求めに応じて必要なデータを用意して分析結果を出し、さらに担当者を効率よくコミュニケーションしたい」というニーズを持っている。ここで大きな障壁となっていることの1つが「データの準備」だ。

 「アナリティクスの領域では、分析結果をビジュアライゼーションすることに関しては優れたツールが存在します。ところが、『データをどのように用意して加工するか』という面で使い勝手が優れたツールの決定打は存在しませんでした」とマーティ氏は指摘する。例えば、企業で広く使われているMicrosoft Excelなどのスプレッドシートを使った集計/分析では、「このデータはどこから取ってきたのか」「データをどのように加工したのか」といった「分析の過程」を共有できない。それが個々の担当者の作業効率や担当者間のコミュニケーション効率を大きく下げる一因となっている。

 この問題に着目したオラクルは、Oracle Analytics Cloud Serviceに含まれる各サービス/製品に「データフロー」と呼ばれる新機能を追加し、効率向上を図ろうとしている。これは、ある分析で使われたデータのインポート先、加工/分析の手順、使用した計算式などの作業過程をステップとして一元管理し、その内容を記録した中間ファイルにより、後からビジュアル化する際に再利用したり、他のユーザーと共有したりできるというものだ。

 具体的には、「社内で頻繁に使われる分析過程をテンプレートとして保存しておく」ことでアナリストの作業効率を大幅に向上させられるだけでなく、デスクトップ型のBIツールで起こりがちな“シャドーIT化”を防げるという。同様の分析作業を繰り返し行うアナリストなどの作業を効率化する上でも、熟練者の分析ノウハウを組織的に共有する上でも、この機能は大きな助けとなるはずだ。

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 また、ビジネスユーザー向けとしてマーティ氏が挙げるのが「BI Ask」と呼ばれる機能だ。これは「各支店の今期の売り上げ」や「商品別の最新の売り上げ」といった“自然言語”による操作でデータのビジュアライゼーションを可能にする技術である。iOSやAndroidなどを搭載したスマートデバイスからも利用でき、テキストに加えて音声による入力もサポートする。

 「BI Askを組み込めば、分析に使うデータの内容などを知らないビジネスユーザーが、最もシンプルなテキスト検索や音声によるクエリで求める結果をビジュアライゼーションできます。個々のユーザーが頻繁に利用する分析処理などを学習し、結果をパーソナライズすることも可能です」(マーティ氏)

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 もちろん、実際のシステムにこれらの機能を組み込む際には、データへのアクセス権限の管理を含むセキュリティの確保やデータモデルの整備などが必要になる。これは従来通り開発者の役割となるが、その作業を支援する各種の技術/ツールはオラクルの得意領域であり、既に各種のツールが提供されている。

 なお、データフローやBI Askは、既に最新のOracle Data Visualization Desktopに実装されており、今後は同ツールで作成したファイルをクラウド上で共有することが可能になるという。


 Oracle Analytics Cloud Serviceの新機能は、一部でトライアルが開始されており、2016年末以降に順次リリースされる。

 「トライアルユーザーの皆さまからは非常に高い評価をいただいています。アナリティクス分野における次の大きな波は、『個々のユーザーが、それぞれの状況に応じてアナリティクスをいかにスマートに実践できるか』を追求していくことです。これは始まったばかりであり、理想とするかたちをどこまで実現できるかは未知数な部分もありますが、1つ断言できることがあります。それは、この分野にオラクルは多くの開発投資を行っており、他社に大きく先行しているということです」(マーティ氏)

 以上、アナリティクスをビジネスユーザーにとってさらに身近なものにするためにサービスの大幅拡充が始まったOracle Analytics Cloud Serviceの特徴を紹介した。同プラットフォームに含まれるOracle BI Cloud ServiceやOracle Data Visualization Cloud Service、Oracle Data Visualization Desktopについては、国内でも多くの企業で活用が始まっている。また、多くのEssbaseユーザーがクラウドでの利用を待ち望んでいる状態だ。「Excelに代わる、もっと高機能で使いやすいデータ分析環境を整えたい」という企業は、ぜひ一度これらのサービスをお試しいただきたい。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年12月28日

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