刷新を決めた当初から、楽天の開発陣営の頭には「次はOracle Databaseへ」との考えがあった。当時、楽天が運営する他のシステムで小規模に使われていたOracle Databaseの実績から、性能や運用の面で優れた製品であることが分かっていた。しかも、専用に設計され、高いパフォーマンスと可用性を誇るデータベースマシンも登場していた。それがOracle Exadataだった。
「既に世界中の金融機関などでOracle Exadataの導入が進んでおり、膨大なトランザクションを高速に処理しながら安定稼働し、高いスケーラビリティを備えているという評価を伝え聞いていました。当時の楽天市場にとってはオーバースペックなマシンだったかもしれませんが、それまでの拡大ペースを踏まえると、5年後、10年後にはトラフィック/データ量が数倍から数十倍に膨れあがっている可能性があります。それに耐えられるプラットフォームはOracle Exadataしかない。これに変えなければ、今、抜本的にデータベースを変える意味がないという結論に達しました」(横内氏)
パフォーマンスや可用性に加えて、運用管理面でも魅力的に映った。Oracle Exadataはハードウェアとソフトウェアを融合した製品であり、ストレージからデータベースまで全てをオラクル1社に任せられる。ワンストップのサポートが受けられることは、トラブル対応も含めた運用管理業務の効率化に寄与するはずだ。
Oracle Exadataを最有力候補と定めた楽天は2011年、日本オラクルの協力を得てPoC(Proof of Concept:導入前実機検証)を実施する。このPoCでは、楽天市場で利用しているデータとアプリケーションの一部を利用して入念な検証が行われた。
「PoCでは、もちろん性能も評価しましたが、Oracle Exadataなら十分なパフォーマンスが得られることは分かっていました。それよりも気にしていたのは、アプリケーション側への影響です。Oracle Databaseに移行すれば使用するSQLが変わるため、それがアプリケーションの挙動にどう影響するかを重点的に検証しました」(横内氏)
数カ月にわたるPoCの結果、性能が向上することはもちろん、アプリケーション側への影響についても現実的な範囲との確証も得られた。関係者はホッと安堵する。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年1月11日
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