通話網を脅かすSkypeの仕組み、分かりやすく解剖!:5分でネットがわかるシリーズ(5)(4/5 ページ)
2003年の登場から大きな注目を浴びている「Skype」。ヘッドセットや受話器などアクセサリー類も充実し、ファンを増やし続けるSkypeの仕組みや魅力の秘密を解説します。
4. 音声がなぜ高音質?
●コーデックを使って音声を圧縮
Skypeの音声のクオリティの高さの秘密は「コーデック」(CODEC=COmpressor DECompressor(圧縮伸張の意))にあります。コーデックとはデータを圧縮・復元するソフトのことです。コーデックを使えば巨大なサイズの音声や動画データをコンパクトにまとめることができます。いかに品質を落とさずにデータを圧縮するか? それがコーデックの腕の見せ所となるわけです。
Skype社は現在2つの「iSac」「iLBC」というコーデックを使用しています。NTTの固定電話は300Hzから3.4kHzの周波数にしか対応していないのに比べ、SkypeのiSacは50Hz〜8kHzと2倍以上の帯域を持っています。このため「Skypeの通話は固定電話より良い」といわれるのです。
しかし、Skypeは固定電話と違って、インターネットの接続スピードやパソコンの環境によって、データの転送スピードも変化してきます。それに対応し、ネットのスピードが遅いところでは「iLbc」という固定電話と同じ300Hzから3.4kHzに対応したコーデックを使い、音質は落としてもスピードは落とさないように工夫をしているのです。
実はさらにネットスピードが遅い場合(数十k以下の接続スピード)、もう1つのコーデックが存在しそれに切り替えられるという指摘もあるのですが、Skype社がその技術を公表していないので実態は不明です。
音声の品質はコーデックの使い分けに秘密がありました。次はSkypeから外部の電話に接続ができる仕組みと今後について考えてみましょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.