検索
連載

通話網を脅かすSkypeの仕組み、分かりやすく解剖!5分でネットがわかるシリーズ(5)(5/5 ページ)

2003年の登場から大きな注目を浴びている「Skype」。ヘッドセットや受話器などアクセサリー類も充実し、ファンを増やし続けるSkypeの仕組みや魅力の秘密を解説します。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

5. 固定電話がなくなってしまう

 最後にSkypeから一般電話に通話ができるSkypeOut、固定電話からSkypeをかけることができる「SkypeIn」について解説し、Skypeの今後についてまとめてみましょう。

●どうやってSkypeから固定電話に通話ができるの?

 Skypeネットワークと固定電話網はSkype社が運営しているゲートウェイで接続されています。ゲートウェイとはそれぞれ異なる種類のデータを変化して、それぞれを通信可能にする機器のことです。例えばSkypeから一般電話に変える場合を考えてみましょう。まず電話番号をSkypeに入力して通話ボタンを押すと、Skypeのネットワークを通じて、ゲートウェイに接続されます。そこで一般電話にでも通話ができるようにデータを変化し、ゲートウェイがダイヤルを回して(これは例えですが)固定電話にアクセスをしてくれるのです(固定電話からSkypeに電話をするときはこの逆になる)。Skype⇔固定電話のやりとりが増えれば、ゲートウェイを増強しなければなりませんし、維持費もそれなりに掛かります。なので、Skype同士の音声通話やチャットと違う、ゲートウェイを使用するサービス(SkypeOut、SkypeIn、Skypeボイスメール)は有料となっているのです。

●値段が安い秘密

 日本からアメリカに固定電話でかけるよりも、Skypeで日本からアメリカの固定電話に通話した方が安いのはなぜでしょうか。それは利用している回線が違うためです。下の図にまとめてみましたが、Skypeから固定電話に通話するときはゲートウェイから固定電話までの距離のみに料金が発生します。しかし、固定電話から固定電話へ通話をするときは、区間すべてにお金が掛かるため、大きな値段の開きが出てしまうのです。

図5-1 ゲートウェイ・スカイプ 固定電話への通話が安い理由
図5-1 ゲートウェイ・スカイプ 固定電話への通話が安い理由
SkypeOutはゲートウェイと固定電話の距離が短いので、日本国内からアメリカに通話する場合などでも安く電話がかけられる。しかし、ゲートウェイがあまり設置されていない国や地域に電話する場合は固定電話と同じ、もしくはそれ以上の値段が掛かる可能性もある

●固定電話どころか携帯電話も危ない!

 ユーザー同士なら距離に関係なく無料通話ができ、国内から海外への通話も固定電話より安いSkypeは固定電話にとって大きな脅威となっています。しかし、実は固定電話だけでなく、携帯電話もウカウカしてはいられません。W-ZERO 3のような無線LANに対応したWindowsモバイル機にもSkypeは対応していますし、今年のロジテックからも無線LAN対応のSkype専用端末機も発売されています。無線LANのエリアが広がれば、携帯電話と違ってほぼ無料で通話ができてしまいます。

 現在まだまだ知名度が低いSkypeで、「革命的なソフトウェア」といわれながらもまだ革命は行われていません。ただ、今後Skypeが通信業界に大きな影響力を与えることは間違いありません。

今回はスカイプとは何かの説明をしました。実際のSkypeの使い方は紹介していません。Skypeの利用方法について詳しく知りたい方は、ネットワーク管理者のためのSkype入門をご参照ください。



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る