勃発! 次世代ブラウザ戦争(2005年〜)
強敵Netscape Navigatorを打ち破ったInternet Explorerは、2000年から現在にかけてのブラウザのトップシェアに君臨します。
しかし、王者となったInternet Explorerに対して、新しいブラウザが次々と競争相手として登場します。特に、2004年から登場したFirefoxのおかげで、Internet Explorerのシェアは奪われ始めます。
Firefoxの誕生は米ネットスケープと密接な関係があります。Firefoxの開発元は「Mozilla Foundation」(モジラ財団)という非営利企業です。Mozilla Foundationは、もともとNetscape Navigatorの開発に関与していた「Mozilla Organization」で、2003年に米ネットスケープの親会社であるAOLから資金の提供を受け設立しました。
Firefoxはマルチプラットフォームで、タブブラウザ機能や気軽に機能拡張ができるアドオン機能などが魅力でした。また「Internet Explorerが独占的なシェアを握り選択肢が少ないのはよくない」というユーザーも多く、Firefoxの利用者はどんどん増えていきます。
一方、Internet Explorerは2001年8月にリリースしたInternet Explorer6から大きなバージョンアップが行われず、機能面でFirefoxに差を付けられてしまいます。
Internet Explorerに大きな改良が施されたのは、タブブラウザ、RSSリーダー、検索窓などを搭載したInternet Explorer7で、2006年の秋に正式版がリリースされました。
FirefoxとInternet Explorerのブラウザシェアをめぐる戦いは現在も続き、「第2次ブラウザ戦争」と呼ばれています。
ブラウザ戦争の弊害から注目される「Web標準」
第1次ブラウザ戦争では、大きな問題が発生しました。「Netscape Navigatorではきちんと閲覧できるけど、Internet Explorerでは見ることができない」といった事態が度々発生しました。ユーザーはもちろん、Web制作者は「Netscape Navigator」「Internet Explorer」の両方できちんと見られるように多大な手間を掛けなければいけませんでした。
しかし、この第1次ブラウザ戦争における勝手な機能拡張のおかげで、「ブラウザを選ばずにきちんと閲覧できる環境をつくろう!」という概念が重要視されてきて、現在にいたります(参照:いまさら聞けない“Web標準”、そしてXHTML+CSS)。
ブラウザの歴史は技術の歴史
今回はブラウザの歴史を中心に、駆け足で見てきました。ブラウザが機能を拡張することで、Web関連の技術も開発・発展を続けてきました。今後、この連載でHTMLについて、別途説明したいと思います。
1990年に初めて登場し、18年たった現在も、WebブラウザはリッチクライアントやWeb 2.0の入り口として、最新技術であり続けています。携帯やゲーム、PDAなどでも利用され、生活の一部に溶け込む一方で、まだまだブラウザのシェア獲得競争は続いています。今後もWebブラウザはどのように発展するのか要注目です。
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