いまさら聞けない「SEO」入門──検索結果の最適化いまさら聞けないリッチクライアント技術(13)(1/3 ページ)

検索エンジンで結果が上位に表示されることの優位性と最適化の方法論、具体的なTipsをおさらいしましょう(編集部)

» 2008年06月18日 00時00分 公開
[江原顕雄@IT]

 今回取り上げる用語は「SEO」です。皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。では、SEOは実際どんなものなのか、早速、見ていきましょう。

SEOとは何ぞや?

 SEOは「Search Engine Optimization」の略です。Search Engineは「サーチエンジン」で、最後の「Optimization」は「最適化」という意味です。つまり、SEOを直訳すると「検索エンジンの最適化」となります。

 しかし、これだけではピンとこないので、さらに言葉を補ってみましょう。

 「Webページをサーチエンジンの検索結果の上位に表示するため最も効果的なテクニック」といい換えると、よりSEOのイメージがしやすいと思います。具体的にいえば「GoogleやYahoo!の検索結果でより上位に表示する」にはどうしたらいいか、ということです。

 検索エンジンの上位に表示されることはとても重要です。日本国内で2008年4月の家庭でのPCを使ったウェブアクセス総利用時間は9億2900万時間(「ウェブ総利用時間が前年同月比で18%増、一方で総ページビュー数は3%減に<ネットレイティングス」)にも及び、多くの人々が情報を得るのにインターネットを利用しています。商品やサービスについての価格や仕様を調べたいときに、ネットを使って情報収集することは珍しいことではありません。

 サーチエンジンの検索結果で上位に表示されることは単に「アクセスアップ」につながるだけでなく、企業の利益に直結します。

図1 コンテンツ内容が全く一緒でも、SEO対策しているサイトのほうが、検索エンジンの上位に表示され、その結果多くの人にアピールすることができる 図1 コンテンツ内容が全く一緒でも、SEO対策しているサイトのほうが、検索エンジンの上位に表示され、その結果多くの人にアピールすることができる

SEOを行うメリット

 SEO対策を行い、検索エンジンの上位に表示されることのメリットについてまとめると、以下の3点が挙げられます。

(1)信頼性が高い

 サーチエンジンの上位に表示されることで、「この会社の商品がしっかりしているからトップに表示されるのね」と、ユーザーに信頼感を与えることができます。お金さえ払えば、検索結果の広告スペースに自社のサイトやサービスを表示することも可能ですが、こちらはやはり「広告」としかユーザーには受け取ってもらえません。

 さらに「食器洗い機用洗剤にA商品とB商品と2つあるけど、Googleの検索結果A商品の方が上にきたので、A商品の方が人気があるようだ」と具体的な情報や内容を知る前に、検索エンジンの上位に表示される結果でユーザーにより好印象と信頼を与えることができます。

(2)ユーザーに直接アプローチを掛けることができる

 TVや雑誌、駅や街頭に広告を出せば多くの人にアピールすることができます。が、「絶対に購買層になり得ない」人々にもコストを掛けて宣伝をしていることになり、効率は決してよくありません。

 その点、Webで検索をするユーザーは、サービスや商品に興味がある優良な「見込み客」です。こういった人たちに他社より先に、検索結果が表示されて、自社をアピールすることは非常に重要です。(1)で挙げた例のように「食器洗い機用洗剤を探すユーザー」にピンポイントに自社商品を宣伝できるのは、とても魅力的です。

(3)コストが比較的に安価で済む

 先ほどTVや雑誌を媒体にした広告を例に出しましたが、これらを利用する際にはコストがそれなりに掛かります。しかし、Web広告+SEO対策費用はTVや雑誌の広告に比べてはるかに安価なコストでできます。またうまくSEO対策ができれば、いつも検索結果の上位に表示されるので、コストを掛けずに長期間自社をアピールすることが可能です。

 SEOをきちんとしていれば、「見込みの客にピンポイントでアピール」でき、しかも「コストはあまり掛からない」、その上「閲覧してくれたユーザーは信頼してくれる」ということになり、企業にとっては、まるで魔法のような技術ですね。企業が本気でSEOに力を入れてくるのも当然の話ですね。

上位に表示されるのが真の目的ではない!?

 検索エンジンの結果の上位に表示されるための「SEO」ですが、単純に「SEO対策を頑張って、Googleの検索結果、上位にわが社が表示されたぞ、バンザーイ」で終わってしまうのが目的ではありません。

 いくら上位に表示されても、肝心なWebコンテンツが貧弱では意味がありません。SEOはユーザーに最初に来てもらうためのきっかけです。核となるWebコンテンツがあってこそSEOが生きてくるのです。ありがちな失敗としてはSEOには力を入れるが、Webコンテンツにはそれほど力を入れず、せっかく訪問してきてくれたユーザーを取り逃がしてしまうことです。

 SEOはあくまでも手段でしかありません。その先にあるWebコンテンツを通して何をしたいのか(製品の販売か、自社のアピールなのか、求人か)によってアプローチ方法が変わってきます。Webサイトの目標をはっきり持つことが大切です。

SEOで必要な2大要素

 検索エンジンの上位に表示されるための具体的なテクニックを紹介する前に、「検索エンジンはどのようにして、検索結果の順位を出しているか」を簡単に考えてみましょう。

 検索エンジンはそれぞれの独自のアルゴリズム(処理手順)を持っています。このアルゴリズムは、Webページそのものを解析した内部要素とWebページ同士のつながりを調べた外部要素の2つをチェックして、検索結果の順位を決定します。

 この検索エンジンの仕組みに合わせて、SEOの手法は「内部の最適化」と「外部の最適化」の2つに大きく分けることができます。

(1)内部の最適化

 Webぺージそのものを改善する手法です。検索エンジンは、「クローラー」というWebの自動巡回プログラムを走らせて、Webコンテンツを解析し、データを検索エンジンに送ります。「内部の最適化」とは、このクローラーが解析しやすいようにHTMLを記述したり、クローラーにアピールしたいキーワードやテーマを設定、サイト内のリンクをうまく見せ、HTMLページそのものを効果的に見せる方法です。

図2 クローラーが解析しやすいサイト構造やHTMLの記述に気をつける「内部の最適化」 図2 クローラーが解析しやすいサイト構造やHTMLの記述に気をつける「内部の最適化」

(2)外部の最適化

 「このWebページは重要度が高くて魅力的だ」と判断する際の指針として、「どれだけそのページがほかのページからリンクをされているのか」があります。ほかの場所からリンクされていればいるほど、そのページの人気は高いと判断でき、検索エンジンはこのWebページ間のつながりである外部要素を非常に重視します。

 「外部の最適化」とは、検索エンジンが重要視する「ほかからのリンク」をどうやって増やすか、ということです。いうのは簡単ですが、それを実現するのは難しいことです。方法としては「リンクを張りやすくする」と「良質なコンテンツを提供する」といった基本的なことしかありません。

 「外部からのリンクを増やしたいのなら、ダミーのサイトを作って、勝手にリンクすればいいのでは」と考える人もいるかもしれませんが、そのアイデアではうまくいきません。なぜなら、検索エンジンは、リンク元のページのクオリティや内容、被リンク数などを確認をするからです。

 不当にリンクを増やすだけのページを作ると、検索エンジンスパムと見なされて評価を落としてしまう可能性もあります。同様にお金を払うことで、人気サイトからリンクを張ってもらうのにも限界があります。

図3 検索エンジンが重要視する「ほかからのリンク」を増やすのが「外部の最適化」 図3 検索エンジンが重要視する「ほかからのリンク」を増やすのが「外部の最適化」
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