PMBOK流:業務委託先の選び方:メンバーに贈るプロマネ基礎講座(10)(2/3 ページ)
本連載は、これからプロジェクトマネージャへの転身を考えている方、現在PMBOKベースでマネジメントされているプロジェクトに参加しているメンバーの方などを対象にしています。『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド第3版(日本語版)』(以下、PMBOKガイド)の解説を行いながら、プロジェクトマネジメントの基本を解説していきます。なお、各小見出しの横には、対応するPMBOKガイドの章を記載していますので、PMBOKガイドを学習する際の参考にご利用ください。記事の最後には演習問題を用意しました。復習にご利用ください。
契約内容の監視コントロール 〜「契約管理」プロセス(第12章5項)
このプロセスは文字どおり、契約マネジメント計画書に基づいて契約した作業内容が適切に行われているかを管理する活動のことです。プロジェクト・チームの活動に関しては、作業の進ちょく状況を確認する「実績報告」プロセス(第10章3項)、プロジェクト・チームが生成した成果物の品質を確認する「品質管理」プロセス(第8章3項)、作業内容が変更になった場合にその変更を適切に管理する「統合変更管理」プロセス(第4章6項)などについて、これまでの連載で解説してきました。契約管理プロセスは、これらのさまざまなマネジメント・プロセスを納入者を対象として行うと考えると分かりやすいと思います。
契約を終了させる〜「契約終結」プロセス(第12章6項)
外部の業者に委託した作業が完了し、成果物が納品された場合、納品された成果物の受け入れを行い、問題がなければ契約が完了します。「契約終結」のプロセスでは、あらかじめ定められた(第4章7項「プロジェクト終結」プロセスで定義)契約終了手順に従って、終了の手続きを行います。具体的には、成果物の検証、事務手続き(支払いなど)、契約に関する記録などです。また、何らかの理由によって、契約の途中で契約を中止することもありますが、その場合もあらかじめ定義された手順にのっとって手続きを行います。
PMBOKの考え方に「教訓を残し、次回以降のプロジェクトで活用する」というものがあります。契約が完了したら、「契約監査」として、契約の振り返りを行い、ちゃんと記録に残します。
このプロセスは終結プロセス群と定義されていますが、必ずしもプロジェクトが終結する段階でのみ発生するわけではありません。契約が完了する都度発生するプロセスですので、計画段階や実行段階でもこのプロセスの活動を実施することがあります。
契約のタイプ
購入・取得計画プロセスで作成する調達マネジメント計画書において、選択する契約タイプを決定します。契約タイプを大別すると、定額契約(一括請負契約)、実費償還契約、タイムアンドマテリアル契約に分類されます。それぞれの契約タイプの特徴は下記のとおりです。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
次のページで、今回の範囲のおさらいをします。演習問題を解いて終わりましょう。
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