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PMBOK流:業務委託先の選び方メンバーに贈るプロマネ基礎講座(10)(3/3 ページ)

本連載は、これからプロジェクトマネージャへの転身を考えている方、現在PMBOKベースでマネジメントされているプロジェクトに参加しているメンバーの方などを対象にしています。『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド第3版(日本語版)』(以下、PMBOKガイド)の解説を行いながら、プロジェクトマネジメントの基本を解説していきます。なお、各小見出しの横には、対応するPMBOKガイドの章を記載していますので、PMBOKガイドを学習する際の参考にご利用ください。記事の最後には演習問題を用意しました。復習にご利用ください。

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演習問題

問題1

 あなたは、ある作業を外部の業者に委託したいと考えています。すでに委託する作業の詳細は決まっており、どの程度のコストが発生するかの見積もりも終わっています。この状況で採用する契約形態として最も適切なものはどれですか?

a.FP契約

b.CPIF契約

c.T&M契約

d.CPFF契約


正解

 a


解説

 契約のタイプに関する問題です。契約のタイプを選択するに当たってのポイントは、委託したい作業の内容が明確になっているか否かにあります。今回のケースのように作業範囲が明確に定義され、コストの見積もりが完了している場合、適切な契約形態は定額契約です。従って、正解は選択肢aのFP契約ということになります。逆に、どの程度の作業が発生するか分からないようなケースの場合は、発生したコストに応じて支払額が決定される実費償還契約を採用します。T&M契約は、比較的作業量が小さく、人を派遣してもらうケースなどで使用されます。

演習問題

問題2

 契約マネジメントの活動の中に、「契約監査」という活動があります。次の中で契約監査の説明として適切なものを1つ選びなさい。

a.購入者が納入者に対して、適切に支払いを行っているかを確認すること

b.購入者が契約完了後に、契約についての振り返りを行い、次回の契約のための記録を残すこと

c.納入者の作業が適切に行われているか、購入者が作業場所に行って、様子を確認すること

d.納入者が提出した実績報告が適切かどうかを確認すること


正解

 b


解説

 契約監査とは次回のプロジェクトに教訓を残すための振り返りの活動のことです。契約終結プロセスのツールと技法にも定義されています。購入者は納入者の作業の進ちょく確認などは行いますが、その作業は契約監査とはいいません。

最後に

 これで10回にわたりお伝えしたPMBOKの解説は終了です。本連載でPMBOKに興味を持たれた方は、ぜひPMBOKガイドを入手して読んでみてください。ちょっと難解なところもありますが、繰り返し読むといつも新たな発見があります(私は“スルメ”みたいなやつだと思っています)。皆さまにプロジェクトマネジメントのお仕事に興味を持っていただければ幸いです。

筆者プロフィール

田中亮

グローバル ナレッジ ネットワーク

プロダクトマネージャ兼講師。保有資格は、米国PMI認定PMP、OCP:ORACLE MASTER GOLD。SEとして生産管理システムの開発を経て、グローバルナレッジへ転職。Oracle認定研修やデータベース関連コースの講師を担当後、PMPを取得。現在は、PM/SWEグループ プロダクトマネージャを担当する傍ら、講師としてプロジェクトマネージメントの研修やOracleの研修も実施している。いま関心のあることは、2人の息子の子育てと、ウイスキーを楽しむこと。


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